「秋分」は、古代の中国で作られた季節を表す言葉「二十四節気(にじゅうしせっき)」の中のひとつです。
二十四節気は1年を24等分しそれぞれに季節を表す言葉をつけたもので、春夏秋冬それぞれに6つの節気があります。
秋分は秋の4番目の節気となり、「秋を分ける」と書く通り秋分の日が秋の中間地点となります。
秋分の日は9月22日だけを指し、節気としての秋分は、次の「寒露(かんろ)」を迎えるまでの9月22日~10月7日の期間です。
一年の中には、昼と夜の長さが同じになる日が2回ありますが、それが「秋分の日」と「春分の日(しゅんぶんのひ)」です。
ただ、9月22日の日の出はおよそ5時28分、日の入りは17時39分なので、昼の時間は12時間11分、夜の時間は11時間49分となり、昼の時間が少しだけ長くなっています。 昼の時間が長くなる理由は二つあります。
一つ目は、日の出と日の入りの時間が太陽の上辺が地平線と一致する瞬間と定義されているため。もしこれが太陽の中心を通りすぎる瞬間と定義されていたら、昼と夜の時間がほぼ同じになります。
もう一つの理由は大気です。地球上に大気があることで太陽の光が屈折して少し浮き上がって見えるため、昼の時間が長くなるのです。
2024年「秋分の日」が9月23日ではない理由 2024年「秋分の日」が9月23日ではない理由 通常なら9月23日が秋分の日になりますが、どうして2024年は9月22日なのでしょうか。
地球から見て太陽の中心が運行して見える道筋を「黄道(こうどう)」といい、地球の赤道を天球にまで延長したものを「天の赤道」といいます。この二つが交差する点が二つあり、その一つが「秋分点」で、もう一つが「春分点」です。
秋分の日とは、秋分点を太陽が通過する日のこと。正確な秋分の日は、国立天文台によって決められ、前年の2月1日に「暦要項(れきようこう)」として官報に掲載されることによって正式に決まります。
秋分の日は9月23日になることが多いのですが、今年は閏年(うるうどし)だったことも関係して9月22日です。ただ閏年なら必ず9月22日になるわけではなく、過去の記録を確認すると、1897年~2011年の間に9月22日が秋分の日になったことはありませんでした。また1979年より前は、4年に一度9月24日が秋分の日だったこともありました。
天文学上では2876年の秋分の日は9月21日になる計算になるなど、さまざまな要因によって年によって日付が変わるのです。祝日法の秋分の日の定義を見ると、「先祖をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ための日とあります。このような定義となった理由は、秋分の期間中にある「秋のお彼岸(あきのおひがん)」が大きく関係しています。
お彼岸は春と秋の2回ある仏教行事で、秋分の日を中日とする前後3日間のこと。2024年は9月19日(木)~25日(水)の7日間です。
お彼岸は仏壇やお墓をいつもより念入りに掃除し、秋彼岸にはおはぎをお供えして先祖様に感謝の気持ちを伝える期間です。お寺によっては「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる法要を行うこともあります。
仏教の世界では、悟りの世界を意味する「彼岸(ひがん)」は西に、煩悩があふれるこの世である「此岸(しがん)」は東にあるとされ、太陽が真東から登って真西に沈む秋分の日と春分の日は、この世とあの世の距離が近くなると考えられていました。
そのため、秋分の日と春分の日を中日として春と秋のお彼岸が設けられたそうです。 「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、この日を境にして日差しがやわらぎ一層秋らしくなります。朝晩には冷え込むことが多くなるので、体調を崩さないように気をつけましょう。