5日に史上最大の下げ幅を記録したと思えば、翌日には史上最大の上げ幅を記録した株式市場。息つく暇もないほどの値動きに、多くの人が翻弄されています。
もうやめてくれ! 8月5日、必死な形相で叫んでいた(に違いない)42歳サラリーマン。
「とても仕事なんてしている場合じゃない!」と連投した理由は、株価の大暴落。日経平均株価の終値は4,451円28銭安の3万1,458円42銭と、1987年10月20日の「ブラックマンデー」を超えた下落幅となり、SNS上には「死人がゴロゴロ出る大暴落」などの悲痛な言葉が並びました。
コツコツと貯めたお金だったのに あがることのない小遣い。なんとか増やせないかと、奥さんには内緒でコツコツ貯めてきた貯金100万円で投資デビュー。
「投資初心者なら、まずはインデックス型じゃない?」と、同僚からアドバイスで投資信託を購入。あとはネットでおすすめされていた株式を数社、買っていたそうです。
それまで順調に増えていたのに、一気に吹き飛んでしまったとか。初めてのことに完全パニック状態の男性。
アドバイスをもらった同僚に「なあ、これって大丈夫なのか? 本当に大丈夫なのか?」としつこく聞いたところ、「知らないよ、俺だって神様じゃないんだから」と怒られる始末。
結局、大暴落の株式はいくつか売ってしまったとか。 SBI新生銀行が行った『2023年会社員のお小遣い調査』によると、男性会社員のお小遣いは1ヵ月4万0,557円、女性会社員が3万5,001円。
男性会社員は前年比増で2010年以来初の 4万円台だとか。ではそれで足りるかといえば、「全然足りないよー」というのが本音。昼食代平均は男性会社員で624円。
1ヵ月22日勤務だとすると、残り2万7,000円ほど。同僚と飲みにいって、ちょっと趣味にも使って、あとは……そう考えているうちに、あっという間にゼロになってしまいます。かといって、「小遣いアップ!」を主張できるほど稼いでもいない……男性の場合は、「自力で増やす」という選択だったわけです。
株式会社モデル百貨が20~50代の既婚男女に対して行った調査によると、へそくりをしているのは既婚者の35%。
妻(夫)には知られていないへそくりの平均額は155万7,197円。男女別にみていくと、男性71万円に対して、女性144万円。女性のほうがコツコツと貯めることに長けている、ということでしょうか。
月々へそくりに回している額は平均1万9,568円。男性平均額まで貯めるにしても36ヵ月。これだけの期間頑張って貯めたお金を投資に。そんな努力が無駄になってしまう……思わず悲鳴をあげてしまっても、仕方がないことかもしれません。
そもそも給与があがって、小遣いもあがれば、妻に内緒に貯金までして投資することもなかったのに 男性の怒りの矛先は、思わぬ方向へ。
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、40代前半のサラリーマンの平均給与は38.0万円。手取りにしたら30万円ほど。
子どもの教育費や住宅ローンの返済など考えたら、夫への小遣いは4万円が限度でしょうか。これ以上の小遣いを望むなら、給与アップを期待するしかありません。
厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、今年6月の現金給与総額は前年比4.5%増の49万8,884円。一般労働者に限ると、前年比4.9%増の66万4,455円。27年ぶりの高い伸び率となりました。
こうした背景から、物価の変動分を反映した実質賃金は前年同月比1.1%増となり、27ヵ月ぶりにプラスに転じました。
今回の結果は、春闘を経ての賃上げと6月に支払われた夏季賞与の影響によるところが大きく、来月は再びマイナスに転じる可能性が高いという専門家も。賃上げ効果はまだまだ限定的で、もっとすそ野を広げていく必要があり、来月以降の結果に注視すべきだといいます。
何はともあれ、2年以上ぶりに実質賃金がプラスを記録したのは、希望のもてることだといえるでしょう。
一夜明けて、8月6日。終値は昨日から2,957円90銭高の3万4,416円32銭と、1990年10月に記録した2,677円54銭を超えて、過去最大の上げ幅となりました。先日、ジェットコースターのような激しい値動きの株式市場。
まだ不安定な値動きは続きそう。仕事にも身が入らいない日々も続きそうです。