氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

定年退職した男性は「マウンティングおやじ」になる

地域活動をスムーズに進めるためのルールや、そういったルールを守れない、地域の「マウンティングおやじ」と呼ばれる人々です。

一体彼らはなぜ、周囲の人に対してマウントを取ってしまうのか。

地域活動をスムーズにできるようになるためのルール、それはたったひとつしかありません。それはひたすら自分を主張せず、謙虚にすることです。

ところがサラリーマン、特に大企業で管理職をやっていた人には、これが難しいのです。

「地域コミュニティはそれほど甘いものではない」とか、「慎重にやった方がよい」という理由は、定年退職したシニアがなかなか謙虚に振る舞うことができないからなのです。

数年前から「マウンティング」という言葉が話題になっています。

マウンティングというのは本来、哺乳類などの動物が自分の優位を示すために相手に馬乗りになる行為です。

 

 

そんなイメージから、人間関係において「自分の方が優位だ」ということを誇示したいという気持ちの強い人が、そのことをアピールしたがる言動を「マウンティング」と言うのです。

そして定年退職した男性は、人が集まる地域コミュニティにおいては、そんな「マウンティングおやじ」になりがちです。

なぜなら、そもそも彼らは現役時代から、会社の中でマウンティングおやじと化していたからです。

会社にいる間はまだいいけれど…  具体的には彼らはどういう行動を取りがちなのでしょう。たとえば女性社員に対して、何ごとも上から目線で話しかける、あるいはコンビニのレジで従業員にやたら偉そうに接する、そして部下と飲みに行くとやたら説教っぽくなります。

若い人から見ると、どこの職場にも必ず何人かこういうマウンティングおやじはいるはずです。

それでも、会社に在籍している間はまだよいでしょう。なぜならそんなおじさんも立場上は一応上司ですから、部下は面倒だと思ってもウンチクに付き合ったり、昔の仕事の手柄話を聞いてあげたりします。

なにしろ日本の若者はとても優しいのです。

ところが定年退職した後に、そんな調子で地域コミュニティにデビューしたら、いったいどんなことになるでしょう。考えただけでもおぞましい光景が待ち受けています。

まず地域活動では、地域の主婦が主力メンバーです。そこに前節でお話ししたような長老もいます。

すなわち彼らから見れば、あたかもそれまでの間、微妙なパワーバランスの上に成り立ってきた中東の地域に、突然武装した米軍が入ってきて傍若無人に振る舞うようなものです。

たちまち嫌がられることは間違いありませんし、あちこちで強い抵抗を受けることは目に見えています。これでは、地域コミュニティに入り込んで仲間にしてもらうことはまず無理でしょう。

どうしてサラリーマンが定年退職すると、「マウンティングおやじ」になりがちなのでしょう。

前述のように、そもそも高齢期の管理職はマウンティングしたがる傾向はありますが、それ以上に、その理由が退職後の“淋しさ”にあると思っています。

彼らの多くは、サラリーマン時代に管理職だった人です。言うまでもなく部長や課長というのは、その部や課では序列は最上位です。

役員になれば、もっと上になります。つまり、現役時代に高い地位にあった人ほど、「立場が上にいる」ということが常態であるため、定年後にタテ社会からヨコ社会へ移ってフラットな一個人になってしまうと、自分の優位性がなくなってしまう淋しさから自分をアピールしたくなるのだと思います。

でもこれは、相手からすれば明らかに迷惑です。特に地域コミュニティではそうです。上司であれば、仕方なく付き合わざるを得ないものの、近所に住んでいるだけの知らない定年退職者から偉そうにされたくないのは当たり前です。

 

 

そんな現実の状況も知らないのに「定年後は地域の付き合いを大切に」などという無責任なアドバイスをするセミナー講師の話を鵜呑みにして、「まあ仕方ないから、自治会の役員でもやってやるか」とばかりに上から目線で乗り込んでくるおじさんが、地域で歓迎されるはずがないのです。

アウェイからホームへ移籍する  多くのサラリーマンは会社ではずっとホームで戦ってきています。

でも地域コミュニティでは、自分はアウェイの立場なのだということを忘れてはいけません。だとすればとにかく、コミュニティの一員として認めてもらうためには、一にも二にも謙虚であること、何をやるにしても雑巾がけから始めるのだという心づもりでいないと駄目です。

地域で受け入れてもらいたいのであれば、何よりも「人の役に立つこと」から始めるべきです。そんなことをするのが面倒なので、地域との付き合いは最小限にしているのです。  

とはいえ、夫婦でずっとその地域に住んでいて、かつ奥さんが専業主婦だったというような場合であれば、自分はアウェイでも、奥さんはホームという場合もあります。つまり、奥さんは以前から地域のコミュニティに入って活動していたりするようなケースです。

このような場合は、「ああ、この人は〇〇さんの旦那さんなのね」ということで受け入れてもらいやすくなる可能性は高いでしょう。

そう、地元にとってのアウェイの選手ではなく、ホームの選手へと移籍を認めてもらえるかもしれないのです。

ただ、ここでひとつ誤解してはいけないことがあります。

それは、「定年後の男性は受け入れてもらいにくいけれど、女性であればヨコのコミュニケーション能力が優れているので、働いている女性が定年になっても、すぐに地域コミュニティに溶け込めるだろう」と考えてしまうことです。

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