氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

日本人の「貯蓄より投資へ」が根付かない理由

世界的なインフレの波が日本にも押し寄せ、物価上昇や値上げによる金銭的な不安を抱えている人は多いです。

賃金が上がらないなか、節約だけではまかないきれないと投資への意識は高まっているようですだ。だが、いざ投資を始めようと思っても、何を買ったらいいのかわからないのです。

株で損したらますます資産が減ってしまうと思うと、なかなか一歩が踏み出せません。結局、やっている資産形成は日本円での銀行預金だけです。

これは、経済合理性から考えると非効率です。モノの値段が上昇すれば、お金の実質的な価値は下がるからです。

物価が上がっているとき、あなたは買い物を控えようと考えますか?それとも、もっと高くなる前に買っておこうと思いますか? 経済学的に考えるなら、後者の行動が合理的です。

お金は持っているだけなら単なる紙切れやデータです。価値が下がる前にいかにモノやサービスに変えるかが重要です。

 

 

日本は四半世紀超の長い間、持続的に物価が下がるデフレの状態にあり、お金の実質的な価値が上がっていました。

その結果、日本の家計の金融資産は現預金が5割超、株式・投資信託がです約15%と、圧倒的に現預金の割合が高くなっています。

一方で米国では、現預金が14%、株式・投資信託が5割超です。現預金と投資の割合が日本とは真逆なのです。

米国株はコロナ禍で一時期落ち込みましたが、すぐに回復し、コロナ前の水準を超えました。

米国では若い頃から株式投資を続けている人が多いですから、その人の中には低所得労働者は株価上昇と失業保険給付でもう働かなくていいだけの資産を手に入れ、FIREした人も少なくありません。

超低金利が続く日本で、銀行預金で資産を増やすことはできません。

なのになぜ、日本人の多くが資産のほとんどを現預金で保有しているのかです。

日本に投資が根付かない理由は3つあります。

1つ目は、義務教育期間での投資教育が遅れたこと。

2つ目は、株価だ。米国では株価は右肩上がりのトレンドが続き、株価指数などの指標と同じ値動きをするように運用される「インデックスファンド」を買っておけば、ずっとほったらかしでも損をするリスクが少ないのです。一方で、日本の株式市場を代表する株価指数である日経平均株価を見ると、バブル景気の1989年末の史上最高値にまだ戻っていません。

3つ目は、日本人は「お金儲けは悪」といった価値観を持つ人が多い点です。それは、狩猟民族と農耕民族の時代から染み付いた考え方のようなものかもしれません。

日々の努力や頑張りによって成果を得られる農耕に対し、狩猟は獲物に出会う「運」も大きく関わっており努力と成果が関連しづらいのです。

日々の努力と頑張りを美徳とし、長らく「1億総中流(=すでに崩壊し格差社会)」が根付いている日本人には「株で儲ける」という姿勢は受け入れられにくいのかもしれません。

家庭の中でもお金の話をしないのは当たり前ですから、小さい頃からそういう環境で育てば、お金儲けは悪という発想になるでしょう。

 

 

顕著にあらわれるのが、宝くじに高額当選した人の話を聞いたときではないでしょうか。米国では、すごい!と素直に称賛の声が上がり、日本ではずるい!と感じ、高額当選するとその後不幸になるといったうわさまで出ます。

そんな不幸な人を見て、安心する人も多いのです。

投資は値動きによるストレス耐性が必要になりますし、精神的に厳しいことに直面することもあるので決して楽に儲けられるわけではないのですが、努力をせずにお金を儲けるのは良くないことといった感覚がどこかにある人が多いように感じます。

人が努力と頑張りで得られる成果には限度があります。日本でも所得格差は問題となりますが、格差に寛容な海外の国々と比べたら少ないほうです。

実際、日本の部長職の年収は米国はもとよりタイよりも低く、努力して出世しても平社員との差がそれほど開かないのが、日本の実情です。

部長職に就いても収入は低いままで、老後への備えや自分の資産を守る意味でも投資は不可欠なのかもしれません。

では、投資をどのようなタイミングで何から始めればいいのかは、思い立ったときです。

ただ、初心者がボーナスを握りしめて個別銘柄を一気に買ったり、仕組みをよく理解しないままFX(外国為替証拠金取引)を対象に選ぶのはよくありません。

たとえば円安が進んだ時点で、慌てて円だけではダメだ!と外貨預金に向かう人がいます。

外貨運用では、預け入れしたときの為替レートよりも円安のときに払い戻しすれば為替差益が得られますが、今より円高になった時点だと投資金額が目減りするリスクがあるのです。

金利が魅力的でも、預け入れしたときの為替レートより円高の時点で払い戻ししてしまうと利息を帳消しにしてしまうのです。

このように金融リテラシーが低いと、思わぬ損を出すことにつながりかねません。

投資で損をするのは絶対にいやだという人には、「まずはiDeCo(個人型確定拠出年金)で、定期預金を選ぶ」という方法があります。

 

 

超低金利とはいえ、掛け金が所得控除になるメリットは大きいです。定期預金だとしてもiDeCoに加入することで、何もしない状態よりは所得控除される分だけ実質的に運用利回りを見込める効果があります。

一方で、株式や投資信託などの運用益や配当金などが非課税になるNISA(少額投資非課税制度)も活用しない手はない。NISAでは定期預金のような元本保証商品はありませんが、リスクを小さく抑えることはできます。

その方法とは、「長期・積み立て・分散・ほったらかし」による投資をすることです。 結局、何から始めればいいのかは、具体的には、多くの銘柄を含む株式 のインデックスファンドに月々、積み立て投資をします。

例えば、米国や全世界の株式市場の動きをとらえる投資商品を選べばそれだけで分散投資の効果があり、リスクを抑えられます。

また、一定金額で毎月定期的に購入する積み立て投資なら、価格が高いときには購入口数が少なくなり、価格が安いときには購入口数が多くなるといった買い付けとなり、高値で一気に購入してしまい失敗した!という価格変動リスクを低減できます。

加えて長期間、運用で得た収益をふたたび投資し続けることで、利息が利息を生んで膨らんでいく複利効果が期待できます。

積み立て投資は早く始めれば始めただけ、複利の効果が増します。

たとえば毎月積立額3万円を年率4%で運用した場合、10年後は442万円だが30年後は2000万円を超える。少額でも若いうちに投資を始めて時間を味方につけることで、効率よく成果を出すことが可能だということです。

まだ「投資は怖い」という印象が拭えない場合、現金の代わりにたまったポイントを使って株式や投資信託を購入できる「ポイント投資」から始めるのもいいでしょう。

投資は、仕組みを頭で理解するだけでなく、実際の運用によって、株の値動きに対する慣れも必要になってきます。

損をしたりすることで学習し、その経験値に基づいて、相場観というものを養っていくものです。

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