氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「退職後はもう働かない」としたら、定年までに貯金はいくら必要か

長い間安泰だったサラリーマンの老後に不穏な気配が漂っています。

「なんとかなるさ」と高を括(くく)っている人がいまだ多数派である一方、「このままで良いのだろうか」と不安を感じている人が増えています。

じわじわ迫る不安感の背景に、この国にはサラリーマン・公務員が多い事情があります。

サラリーマンや公務員といった勤め人は、定年によって働くのはこの年齢までと区切られます。自分は働きたくても年齢によって、強制終了させられるのがサラリーマン・公務員の特徴です。

そんな強制終了があっても、文句が出なかったのは、その後に十分な退職金と年金が用意されたからです。それに加えて現役時代に貯金をしておけば、少々の贅沢だってできる。だからみんな定年を受け入れてきたのです。

 

 

人の一生を子ども期、大人期、老人期に分けるなら、サラリーマン・公務員の生き方は子ども期に勉強して良い会社・組織に入り、大人期をそこで働きながら過ごす。

老人期は蓄えた財産の取り崩しで生活する一生です。

老後の生活になんとなく不安を感じるサラリーマンは「貯金」しようと考えます。

ここで悩ましいのは「定年までにいくら貯金すべきか?」がわからないことです。

もともと定年後に向けて関心の高かった「定年後に必要な貯金問題」ですが、これに世間の注目が一気に集まったのが「老後2000万円問題」です。

2019年、金融庁金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書の「老後に向けて2000万円の蓄えが必要」の部分がクローズアップされました。

金融庁の名とともに「2000万円」という金額が大げさに報じられ、ワイドショーなどで取り上げられる騒ぎになりました。ただ、報告書を読むと2000万円は試算にすぎません。

老後までにどれだけ蓄えればいいのか。その金額は本人の退職金、家族数、生活ぶり等々によってまったく異なります。2000万円は「夫婦で月5.5万円不足するとしたら30年で2000万円不足」という計算にすぎません。

ただ、この「2000万円問題」が話題になったことには理由があります。みんなもともと「定年までにいくら貯めればいいのか?」について関心があったのです。

なぜなら「定年から先は仕事しない」と思い込んでいるからです。

会計的にこの「2000万円不足」は極めて正しいです。定年後、収入(年金等)と支出(生活費)を比較して月に5.5万円の不足があるとすれば、貯金等を取り崩しながらの生活になります。

 

 

計算上は定年時までに「不足する合計額」の貯金等を用意すれば問題解決しますが、それはあくまで「計算上の解決」にすぎません。

それで幸せに生きられるかといえば、これはまったく話が別です。

年金収入で生活費をまかないつつ、不足する分は貯金を取り崩して暮らす。そんな倹約生活には向き不向きがあります。

もし定年後にフリーランスとして働けるようになれば、貯金や株式投資では手に入らない財産が手に入ります。それは「人とのつながり」です。

老後に必要なものは「お金」だけではありません。それにも増して大切なのは身体と心の「健康」です。

年齢を重ねた人間にとって、身体の健康を保つのが大切であるのは当然ですが、サラリーマンの方にとって心配なのは「心の健康」です。

必死に働いてきた定年前とヒマを持て余す定年後に差がありすぎ、心の健康を害してしまう例があまりにも多いのです。

働くことさえできれば、ヒマは有意義な時間に変わり、孤独は「人とのつながり」に変わります。もちろん「働きたくない」方が無理して働くことはありません。

ただ「自分はまだ働きたい」と思う方がいれば、定年後もぜひ働いてください。その年齢で「雇われる」ことはなかなか難しいのなら、定年後はフリーランスとして働きましょう。

 ・サラリーマンからフリーランスへ変身する

・好きな仕事を好きな時間だけ働く

・サービス業で小さく仕事を始める

人にはそれぞれの金銭事情があります。家族のあるなし、持ち家か賃貸か、貯金はいくらあるか、借金はどれだけあるか、などなど。

それぞれの状況に応じたマネープランを考えるわけですが、その金銭問題への対応を「貯金あるいは株式投資」をメインにしてきたのがこれまでの特徴です。

「老後の生活貯金+退職金年金+フリーランス収入」と考えれば、それほどの収入を稼ぐ必要はなく月に数万円で十分という人が多いでしょう。

定年後も働くとして、いつまで働くかは本人と家族の事情によって決まります。

子どもの教育費や住宅ローンの返済が残っている場合、働かざるを得ません。それがいつまでかは、子どもが生まれたときの年齢、そして住宅ローンを組んだときの年齢によって決まります。

現在、日本人の初婚平均年齢は「30歳」。結婚して数年後に子どもができ、その数年後に住宅購入するなら「30代後半」のタイミングが多いでしょうか。たとえば38歳で25年ローンを組んだら返済終了は63歳です。38+25=63。この足し算をわかってローンを組んだ人がどれだけいるでしょう? 

ほとんどの人は「63歳で働かねばならない自分」のことを想像していなかったはず。そして63歳をめぐる雇用の状態がどれだけ厳しくなっているかについても。晩婚化のツケは高齢になって表れます。

ちなみにこれを避けるためには「早めに結婚して、早めに子どもをつくる」ことしか解決策がありません。しかし、結婚するかしないか、何歳で出産するのか、それらはすべて人それぞれです。

 

 

「人それぞれ」に生じたツケは必ず本人の晩年、金銭の苦労として返ってきます。これから晩婚化と高齢出産が進むとすれば、「足し算」の結果として起こることは何なのか。

「人生のマネープラン」については長期的に考えねばなりません。我々の親世代はそれを教えてくれませんでした。。

なぜなら高齢化によって次世代のマネープランはもっと厳しくなっているはずです。

これからの時代、夫婦の間では少なくとも「子どもの学費」と「住宅ローン」をめぐる「足し算」については話をしておくべきでしょう。

わが子が大学卒業の年、そしてローン完済の年に自分は何歳になっているのか。その年齢近辺になったとき、会社における自分の雇用、そして給料の状態はどうなっていると予想されるか。

まだ子どもが小さい場合には、これから公立・私立のどちらに進学させる予定なのかも考えておかねばなりません。その進路によって学費の額が大きく異なります。

ここで「甘すぎる見積もり」をしてしまうと、後で必ず痛い目を見ます。

役職定年によって予想外の収入減に見舞われそうな場合には、学費やローン支払いは大丈夫かを早めに確認しましょう。時間があれば対応できる選択肢が多いし、早めの対応によって「家族でピンチに立ち向かう」体質をつくることもできます。

いまも日本人には「お金の話をするのは苦手」という夫婦・家族が多いですが、収入減などの不安が高まっている昨今、それではすまされません。自分と家族を守るために家族内のコミュニケーションを良好にしましょう。

昨今の会社では上司や部下との「コミュニケーションの重要性」が再認識されていますが、それにも増して重要なのは家族内のコミュニケーションです。

金銭的な問題については1人で抱え込まず、夫婦・家族というチームでピンチに対応できるよう心がけましょう。

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