氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「考えない日本人」だらけになった日本企業

日本人の多くが、大学生のときは「教授の言う通り」、会社に入ってからも「言われた通り」であるため、新しいことに挑戦するときに使う「前頭葉」が鍛えられていないという。そして、そのことが、日本企業の苦境を招いています。

前頭葉を使う教育がなされないまま大学を卒業した人たちが、そのまま就職して社会を営んでいるのが、今の日本です。

既得権益を愛する年長者と、従順な年少者との密着――つまり「言われた通り」に動く人が出世する構図が、政界や学界はもちろん、企業の中にもはびこっています。

「偉い人」に逆らわないよう神経をとがらせたり、異論や提案があっても発言しなかったりと、多くの働き手が前頭葉を働かせない思考や行動に流れています。

 

 

言われた通りにしているだけでは、新しいアイデアをつくりだす機会がありません。

「起業して成功するには」「新規事業を軌道に乗せるには」「停滞を打破するために新しい手法を考えよう」など、新しさや創造性を伴うことを考えれば、前頭葉は大いに働きます。

しかし残念ながら、日本の組織ではこうした思考をめぐらせる人より、立ち回りの術に秀でた人のほうが出世しやすくなっています。

それが、日本企業の苦境を招いた原因だと私は考えています。イエスマンが集まる組織は、いずれ衰退するものだからです。

イエスマンを周りに侍らせて悦に入る「偉い人」と、その人に従うイエスマンたちが、日々、互いの前頭葉を衰えさせながらビジネスチャンスを棒に振っている――この馬鹿げた構図を、そろそろやめにしなければなりません。

そのカギを握っているのが50代です。多くの方が管理職として、周囲の人たちに影響を与えられる立場にいるでしょう。

そこでの自分の思考や行動を変えることで、会社を変えていくことは十分に可能です。

手始めに、部下との接し方について見直してみましょう。あなたは部下たちにとって、意見を言いやすい上司でしょうか。

もし、知らず知らずのうちに周りがイエスマンばかりになっているとしたら、部下との関係に問題があると思われます。

逆らってくる部下がいるなら、その人物を疎んじず、むしろその存在を喜びましょう。その人のなかには、組織を変える可能性が隠れているかもしれないからです。

もちろん、逆らう部下の全員が全員、未来の名経営者だと言っているわけではありません。

 

 

才能や実力も部下によってまちまちですし、必ずしも部下の意見が正しいと決まったわけでもありません。

しかし「自分とは異なる意見を言う」ことそのものに、価値を見出してほしいのです。意見が異なっているということは、自分一人では考えつかなかったことを相手が言ってくれたということです。

その時点でうまくいっていないことに対し、違う方策を提案してもらえたということです。ならば「その方法も試してみよう」と思う姿勢が大事です。

ちなみに、逆らってくる部下にも2種類あります。

反対意見が「提案」になっている人と、批判や攻撃のみに終始する人です。代替案もなしに批判ばかりしたり、あらさがしに終始する部下ならば、聞く耳を持つ必要はあまりありません。

上司と相反する意見であっても、提案をできる人は前頭葉を使って生きています。そうした人と話すと、自分の前頭葉も刺激されます。積極的にチャンスを与え、本人のポテンシャルをさらに引き出しましょう。

近年、企業は好んで「イノベーション」という言葉を使います。求人案内やホームページにはたいてい、「当社は常に新しいことに取り組んでいます」といったような決まり文句が並んでいます。

しかし実のところ、その新しさは、大勢に流されているだけであることがほとんどです。たとえば、皆さんの会社がDXを積極的に進めているとして、その理由は何でしょうか。巷でもてはやされているものに何となく飛びついただけではないでしょうか。

「新しいことをする」とは、トレンドに従うことではありません。「誰もしていないことをする」ことです。

 

 

日本人はもともと、新しいことをするのが不得手です。日本が得意なのは、よその国が発明したものを取り入れて、改良して、さらにいい国産品をつくることです。

車や電気製品の製造はその好例ですが、現代に限った話ではありません。種子島ポルトガルから鉄砲が伝来したときもそうです。

それからわずか50年の間に、日本は世界最大の鉄砲保有国となりました。戦国時代のただなかとあって、武士がこぞって武器を必要とし、量産体制をつくり、性能も上げていきました。

基本となる型を与えられたら、日本人はそれをより便利に、丈夫にブラッシュアップできます。

それはそれですばらしい長所です。しかし、型を与えられるまで何も起こせないというのは、やはり不利です。

「型」を外から与えられなくとも、日本発のものはつくれるはずです。  たとえば、日本は世界に先駆けて超高齢社会に突入しました。

とすると、高齢者にかかわるデータや知見は、ほかの国より多く持っていることになります。また、世界で例を見ないほど高齢者がお金を持っています。

つまり、売れるポテンシャルがあるということです。それを生かした商品やシステムやノウハウをつくって、あとから超高齢社会になった国に教えたり売ったりすれば、日本は大金持ちになれます。

世の中の、それどころか世界の役に立てます。そういうアイデアこそが、真にイノベーティブなのではないでしょうか。

ところが現実を見ると、イノベーションを標榜する会社からは、「DXがどうこう」という話ばかりです。これもまた、アメリカや中国をはじめとするIT先進国の後追いにすぎません。

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