氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

40代から始まる「脳の老化」が進行している人の残念な特徴

「キレやすい」といえば、「ムカつく」とともに、若者の特権であるかのように思われています。

ところが、その一方で、そういう若者を見て、マジ切れし、ムカついている中高年が少なからずいます。

問題なのは、それなりに人生経験を重ねてきて、分別をそなえているはずの人が、自分の感情をコントロールできなくなって、いつまでも怒りつづけています。

中高年になって、とくに脳に動脈硬化や小さな脳梗塞をいくつも起こしている人は、キレやすく、いったん怒りだすと、怒りがなかなかおさまらなくなります。

よく昔から、「人間、年をとればとるほど丸くなる」とか、「角がとれる」とかいわれ、そうした状態を表現する「好々爺(こうこうや)」なる言葉もあるほどです。

 

 

一般的にはそうしたイメージが強いと思われがちですが、「頑固ジジイ」の言葉どおり、年をとったらむしろキレやすく、怒りっぽくなるという事例は、世間一般にもかなり広く見られます。

みずからを振り返ったとき、「最近、些細なことでむしょうに腹が立つようになった」と感じることはないでしょうか。

もし思い当たることがあるなら、感情のコントロールができにくくなっている証拠です。

老化といえば、記憶力の衰えが最初にくると思われがちだが、それは実感しやすいからそう思うだけで、じつは記憶力よりも、さらには体力よりも、もっとも先に衰えてくるのが、感情です。

大脳は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉後頭葉の四つの部分からなっていて、研究によって、それぞれの機能がかなりの精度で明らかになっています。

側頭葉は言語機能や形態の認知、後頭葉は視覚情報の処理、頭頂葉は空間認識、数字の操作などをつかさどっています。

それに対し、前頭葉は人間の知的機能の中枢で、感情、自発性、意欲、理性、創造性など、人間のもっとも人間的側面に関与しています。

その機能は、意欲や感情のコントロール能力、思考の切り換え能力、創造力の源泉の三つに大別されます。

大脳はまだ母親の胎内にいるころから側頭葉、頭頂葉が発達をはじめ、最後に前頭葉がふくらんできます。

しかも、前頭葉は知識社会に重要な部位であることから、脳の中でももっとも遅く成熟し、そして、もっとも早く老化します。

前頭葉が老化すれば、当然、自発性、意欲、創造力、判断力などが低下し、抑制がはずれて性格が先鋭化します。

さらに、知的活動に支障をきたし、感情のコントロールが困難になり、感情のコントロールの悪さはこの影響です。

 

 

少なくとも脳の機能だけで考えれば、年をとるごとに脳の前頭葉が縮んでくるため、感情の抑制がききにくくなったり、自発性の低下や、ものごとを深く考えなくなったりしがちです。

脳の萎縮といっても、脳全体が均等に萎縮するわけではなく、前頭葉がもっとも早く萎縮することがわかってきました。

高齢になれば、体力、知力が衰えるのはわかるが、医学的にみると、感情のほうが先に衰えるのです。

つまり、前頭葉の萎縮によって感情が衰えるから、老け込んでしまうのです。

早ければ、老化は40代からはじまります。

なにが不満なのかわからないのに、いつも仏頂面をしていて、なにごとにつけ、不満を口にしたり、突っかかってきたりします。

いつもイラついていて、周囲と打ち解けようともしません。会社で部下のちょっとしたミスも許せなくなり、ガミガミと怒鳴りつけ、そのことによって、自分の権威を守ろうとするところもあります。

また、自分に自信がないと、それを隠そうとして、不機嫌そうに振る舞うこともあります。ある種の自己防衛だです。

また、若い部下からなにかを聞かれても、「そんなことも知らないのか」とか、「自分で考えろ」といった態度をとったり、いかにもめんどうくさそうに突き放したりします。

こういう人と積極的に友だちになりたいと思う人は、あまりいないでしょう。

その結果、孤独感にさいなまれるようになると、ますます意固地になり、会社を定年でやめたあとに、そうした状態がひどくなることが多いのです。

感情の衰えから、表情がとぼしくなり、まわりの人にはそれが不機嫌そうに見えることもあります。

感情のコントロールがうまくできなくなり、いろいろな場面に応じた表情がとれなくなります。

高齢者がお世辞をわりと真に受けてしまうのも、前頭葉が萎縮し、疑う能力が落ちてきたことを示しています。 前頭葉が萎縮してくると、どうしても思考が短絡的になり、ものごとを疑うことができにくくなります。

だから、いとも簡単に振り込め詐欺などにひっかかり、自分がだまされていることに気づかず、またそれを認めようとしなくなります。

若い人の場合、前頭葉の機能が活発だから、一つの問題に対しても、すぐにいくつもソリューション、つまり解決方法を思いつくことができます。

 若いころはもとより、30代、40代ぐらいまでは、まわりからなれなれしい言葉、いわゆるタメ口をきかれても平気だったのに、脳が老化してくると、自分を立ててもらえないと感じて、カッとなる傾向が出てきます。

キレやすくなるだけでなく、序列にこだわるようになるのも、前頭葉老化の特徴です。

 

 

脳の摂理からいっても、好々爺イメージより、キレやすくなるほうが常態に近いということがわかります。

「年をとれば、人間が丸くなり、穏やかになる」というのは、間違った思い込みです。

まずは、こうした「円熟幻想」から考えなおす必要がありそうです。

好々爺というのは、もともと老人が怒りやすい存在であるため、周囲が気をつかって年配者を立てたり、あがめたり、いたわったりする風潮からつくられた概念で、いわば人間の知恵ではないかと思います。

好々爺のイメージにも三つのパターンがあって、一つは、年をとって、世の中を達観した状態の人です。

いわゆる哲人タイプで、なにごとにも悟りきったかのように自分なりの解決法で対処していきます。

宗教者のごとき諦観の念に到達して、あきらめもよくなります。

前頭葉が萎縮してくると、あれこれ考えるのがめんどうになるが、その一つのあらわれです。

あるいは、社会における人間の知恵で、周囲からいたわられたり、あがめられたりしていると、つねに自己愛が満たされた環境にひたることができ、いわゆる「衣食足りて礼節を知る」状態を享受して、あまりイライラしなくてもすむタイプです。

人生のなかでずっと成功者でいたような人は、実際に年をとってから角がとれて丸くなる傾向があります。

好々爺の三つ目のタイプは、前頭葉だけではなく、脳全体の機能がすっかり衰えてきたケースです。

たとえば、認知症のおじいさんがいつもニコニコしているのは、嫌なことを忘れてしまっているからで、イライラしたり、怒ったりする必要もなくなった結果、好々爺になります。

認知症までいかなくても、本格的に老いて、怒る元気もなくなったり、物忘れがひどくなったりするレベルでも、好々爺イメージに重なってきます。

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