氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

NHK来年4月から受信料未払者への「割増金」は2倍に

テレビ放送を支えてきたのは団塊の世代から、その子どもたちである団塊ジュニアまでです。テレビがどんどん普及し面白くなってきた時代を知っています。

このため、その価値を強く認識しており、NHKにもある程度「お世話になっている」感覚を持つので、受信料も「まあ、仕方ないかな、頼りにはしてるし」と払ってきたのです。

だが2030年の人口ピラミッドを見ると、愕然とするほど高齢化が進みます。

いちばん大きいのは、最大の塊だった団塊の世代がはっきり減ることです。

団塊ジュニアさえ50代後半になり定年間近で、かつ非正規雇用という不安定な職に就いている人も多く、収入も少ないのです。

 

 

テレビ視聴と受信料を支えていた世代は、社会の中核から外れてしまいます。そして団塊ジュニアより下の世代の層をネット世代と捉えていますが、彼らが30代40代になり社会の中核になります。

ネット世代はどれくらい受信料を払ってくれるでしょうか。

彼らは一部のドラマ好き以外朝ドラも大河も見ません。

ニュースはネットで十分です。

昔は子どもができると「おかあさんといっしょ」をありがたがったようですが、今はYouTubeNetflixにいくらでも子どもが好きな番組があります。

ほとんど見ない放送局の受信料を払えと言われて、納得できるのでしょうか。

しかし、前田会長は受信料徴収の外注をやめてしまいました。

企業は販促費用に意外に予算を大きく割きますが、受信料徴収の費用は販促費のようなもので、これをなくすと今後じわじわ効いてくるでしょう。

受信料という曖昧なものを個別訪問で説明せずに徴収できるわけがありません。

実際、受信料収入は今年度上半期だけでも37億円減ってしまったのです。

そのうえ、2023年4月から受信料未払者に対する割増金をこれまでの2倍に上げるといいます。

反感しか買わないそんな罰則をつけても、ドンキのチューナーレステレビの売り上げに貢献するだけで、かえって放送から離れてしまう最悪の策です。

今からでも取り下げたほうがよいでしょう。

NHKの役割がただの放送事業ならなくなってもいいのかもしれません。

だが今、「インフォメーションヘルス」の議論が浮上しています。

 

 

ネットが中心になってきたら情報の健康、つまり正しい情報伝達を誰が担うのか、という問題です。

これに対応すべくNHKは公共放送ではなく公共メディアを目指すというのだが、その実態がよくわかりません。

よく「NHKスマホを持っているだけで受信料を取るつもりだ」と言われますが、それは無理でしょう。

NHKの今後を議論する総務省有識者会議「公共放送ワーキンググループ」でも、出席した有識者は全員がこの考え方を否定しました。

ではどうすればNHKはネット世代にも正しい情報を届けられるのか、それに対応した新たな受信料の仕組みはどんなものでしょうか。

スクランブル方式にすればいい、と言う人がいるがそれは「公共メディア」ではなく「有料メディア」になってしまい、商業メディアとなんら変わらなくなります。

NHK以外のメディアがやればいいことです。

ネット中心の生活者に対しての「公共メディア」とは何か?

それに対応するお金の取り方は?

スクランブル方式にはしないのか?

何よりテレビから離れたネット世代にどう価値を認めてもらうのか?

この難しいパズルに、次期会長の稲葉氏は任期中に否応なく直面することになります。

突然指名されたらしいが、その準備はあるのでしょうか?

そしてNHK内部のみなさんにも問いたいのは、このパズルを解くのは稲葉氏ではなく、NHKで働くあなたたちです。

今後のNHKについて、内側からも声を発するべき時ではないでしょうか。

会長や理事、ましてや経営委員が答えを出せるはずがありません。

NHKでは組織の進路を上の人たちが政治家や総務省の顔色を見ながら決めてきました。

もうそんな段階ではないと思います。

これまでのように右往左往して進まない議論を横目で見ているだけではこのパズルは解けません。

内部で考え内部で答えを出す努力をすべきです。

さらに、その議論に視聴者を巻き込むことが絶対に必要です。

 

 

実は、そこにこそNHKのこれからの活路があります。議論を内に留めずオープンにし、視聴者と一緒に考え、意見を取り込んでいくのです。

それが「公共メディア」の第1歩ではないでしょうか。議論に参加した実感を持てれば視聴者は新しいユーザーとなってくれます。国民的な議論を巻き起こす時です。

もっと言えば、新聞業界、民放界をも巻き込むべきでしょう。

彼らは何かとNHKの行く末について足を引っ張ろうとする存在だが、それは受信料による運営がうらやましいからです。

民業圧迫」とNHKをイジめてきたが、今期のローカル局は赤字続出です。

新聞も2030年頃にはいちばんの読者だった団塊の世代が少なくなり、いよいよ後がありません。

2030年前後から、ローカル局も新聞社もバタバタなくなってしまう可能性が高いのです。

だったら、受信料を「公共メディア料金」に切り替え、NHK自身だけでなく民放も含めたネットインフラにも使うものに進化させることです。

そんな可能性も含めた議論を展開し、新聞業界も使えるインフラにして、中に入ってもらうのもありだと思います。

もちろんそれはそれで一部から猛反発を喰らうでしょう。炎上上等でとにかく議論をしていくということです。

そうしないと、情報伝達がネットに完全にシフトしたとき、無秩序だけが待っていることになりかねません。

正しいことが伝わらない国家の恐ろしさを2022年、私たちは見てきました。

安心できる真っ当な言論空間をネットでも率先して構築するのがNHKの責任です。

真剣に取り組む時がやってきており、小さな議論はもういりません。大きな視点で考えたいものです。

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