株式会社学情が2022年9~10月にかけて、20代の「資産形成」についてアンケート調査(調査対象:20代社会人355名)を実施したところ、「資産形成」に「興味がある」と回答した人が約8割に迫りました。
さらに「FIRE」に興味がある20代は4割を超える結果となっています。
「FIRE」に興味がある理由として、「時間に縛られない生活をしたい」「趣味など自由に時間を使える生活は魅力的だと思う」といった声がありました。
FIREに憧れる理由としては、自由な働き方や自分らしい働き方がしたいという回答が多く見られました。
早期リタイアをして働くことを避けたいのではなく、自分のペースで働きたい、やりたい仕事をやれるという、自分らしさを重視した働き方に憧れる人が多いことが分かってきます。
自分らしく生きるためにFIREを実現したい考える人が多い一方で、FIREを現実的に実現するには一定の定収入や貯金が必要となってきます。
FIREに興味がない人の理由が「定収入がなくなる」という理由であったように、FIREのためには仕事や働き方を変えることで下がる収入を補う資産運用が重要であるようです。
また、一定額の貯金が必要という回答も目立っています。 FIREを実現するためには、かなりの貯蓄をしなければという考えを持つ方が目立ちます。
それだけの貯金をするとなると若いうちでは難しいだけに、一定の年齢になってからのFIREが現実的であろうと考えている人が中心であるようです。
FIREには資産運用をすることが必要と考える方が多くいます。
FIREを実現するには、株式投資のようなメジャーな投資手法、また投資信託や不動産投資など、インカムゲインを得られる投資が向いているという回答が目立っています。
FXや仮想通貨投資は、短期的に大きな利益を得ることはできますが損失となる可能性も高いだけに、FIREを支えてくれる資産運用の方法には向いていないと考える人が多いのです。
FIREに関心がある人は、年令を問わずに高い割合となっています。 FIREをする目的は人生を自分らしく生きるため、自由な働き方をしたいという意見が多く、必ずしも早期リタイアで余暇や趣味を楽しみたい、という考え方中心ではないようです。
そういった『働く』ということに高い意識を持っているからこそ、FIREに憧れる方が増えているとも言えます。
一方で収入が下がるリスクを考え、貯金や資産運用など生活の基盤の定収入の必要性を感じている人も非常に多くいました。
貯金はできれば5,000万円、資産運用は多くの人が取り組む株式投資だけではなく、手堅くインカムゲインを得られる投資信託や不動産投資、債権投資がFIREの実現に向いていると言う意見が目立ちました。
早期リタイアで自由を手に入れ、仕事を通じて自分らしい人生を送るためにも、若いうちから資産運用に取り組む人が増えてくるのではないでしょうか。
一方、「仕事でしか得られない喜びがあると思う」「仕事を通して、人とのつながりや社会との関わりを持ちたい」などの声も上がっています。
若いときに始めるのが有利といわれている「FIRE」ですが、具体的にはどのようなものでしょうか?
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」と表し、経済的自立と早期リタイアを意味するものです。
FIREでいう経済的自立とは、会社からの給与収入がなくても投資の運用益(不労所得)で生活できる状態を指します。
早期リタイアとは、定年より前に退職することを意味しています。
つまり、資産運用により不労所得を得て、早期リタイアをして会社に縛られず、自由な生活を送る生き方がFIREなのです。
具体的には、残りの人生に必要な生活費をすべて蓄えるわけではなく、資産運用の元本のみを蓄えます。支出を減らして投資を増やし、投資による収入(不労所得)を得ることを目指します。
不労所得が年間の生活費より多くなれば、生活しても資産は減りません。つまり、仕事を辞めても生活ができることになります。
FIREは運用益で生活できるだけの資産が貯まった段階でリタイアするため、普通の会社員でも、節約と貯蓄に励むことで実現を目指せます。
FIRE達成のためには、「年間支出の25倍の資産」が必要とされています。総務省統計局の調査によると、2021年の消費支出平均は、1世帯当たり月額23万5120円という結果が出ています。
仮に生活費に月額25万円が必要な場合、年間で300万円の支出となります。
FIRE実現に必要な資産は年間支出の25倍となるため、300万円×25=7500万円が必要になります。
年間支出の25倍の資産が必要な理由には、「4%ルール」が関係しています。4%ルールとは、年間支出の25倍の投資元本があれば、年利4%の運用益で生活費を賄えるという、アメリカ発祥による考え方です。
例えば7500万円の投資元本であれば、年4%の運用で年間300万円の運用益(不労所得)を得ることができます。この300万円以内に生活費をおさえれば、資産を減らすことなくFIREを達成できるという計算です。
普通の会社員でもFIREは不可能ではありませんが、上記のように7500万円を蓄えるのはかなり困難です。
しかし、完全なFIREは無理でも、「サイドFIRE」なら実現できる可能性があります。
サイドFIREとは、生活費のすべてを資産運用のみで賄うのではなく、副業などの勤労収入も合わせて生活するスタイルです。
リタイア後も、週に数日ほど副業などで一定の収入が見込めるなら、最初に蓄える目標金額も少なくてすみます。
FIREを実現するための資産を作る方法 普通の会社員がFIREを実現するためには、まずは支出をコントロールし、貯蓄率を上げることが重要です。
ここでいう「貯蓄」とは銀行の普通預金、定期預金にお金を入れる「預貯金」だけを指すのでなく、株式や投資信託、債券投資など、保有する資産全体が「貯蓄」になります。
自分の給料の中から「どれだけの額を投資に回せるか」というのが貯蓄率です。 FIREの目標金額を早く作れるかどうかは、いかに支出を少なくして、貯蓄率を高くするかにかかっています。
例えばすぐにできることとして、携帯を格安プランにする、不要な保険があれば解約する、活用していないサブスクリプションは解約する、格安な物件に住む、食事は自炊のみ、交際費・遊興費は使わないなど、固定費を節約して、浮いた分は貯蓄に回すようにしましょう。
また、可能であれば、副業をして収入を増やすことでFIRE実現への近道になりえます。 まとめ FIREを目指すのであれば、目標金額をまず明確にすることが重要です。そしてそのために必要な行動を決めて、実行していく流れとなります。
特に投資においては、長く続ければ続けるほど「複利効果」で利益が大きくなるため、早期リタイアに向けては、20代のうちから資産運用を始めることをおすすめします。