氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

資本主義のラットレースから抜け出す方法

世界的なインフレの影響を受けて、日本でも物価高が続いているが、賃金上昇は追いついていません。

どれだけ働いても幸福を感じられない現代です。

そして、抜けることができれば資本主義のいいとこどりができます。

「年収いくら?」のラットレースから 抜け出すために 資本主義のラットレースから抜ける方法は、大きく分けると2つしかありません。

1つは圧倒的にお金を稼ぐこと、もう1つは他者評価の世界から抜けることです。

後者の方が簡単かつ合理的と考えています。

 

 

まずはそれぞれのラットレースからの抜け方を考えてみましょう。

資本主義とはざっくりいってしまえば、人の欲望で動くシステムです。

今よりもいい生活をしたいと思う人が多くいるからこそ経済は成長していきます。

しかし、欲望を満たしたからといって幸福になれるかどうかはわかりません。

それでも多くの人は欲望を満たすことが幸福への道と信じており、それが資本主義を延命させています。

では仮に欲望を満たすことで幸福になれるとするなら、どれだけのお金を稼ぐことで幸福になれるのでしょうか?

消費は2種類に分けられる まず消費を「生活に必要な消費」と「見せびらかし消費」の2つに分類してみましょう。

「生活に必要な消費」とはいわゆる最低限の生活に必要な消費です。

一方で「見せびらかし消費」とは他者が存在することで発生する消費です。

生きるために必要な支出ではないのであれば、消費ではなく浪費と言っても良いかもしれません。

例えば、タワマンの高層階に住みたい人に、それを誰にも言ってはいけない、もっと言えば他者が存在していないという前提でもそれが欲しいのか?と聞いたときに「だったら買わない」と言う回答が返ってくるのであれば、それは「見せびらかし消費」と考えられます。

もしくは「それだったら低層階でも構わない」というなら、その人にとって高層階というオプションは衒示的(げんじてき)欲求を満たすために存在しているということになります。

 

 

衒示的欲求とは、必要性や実用的な価値ではなく、それによって得られる周囲からの羨望のまなざしを目当てに行う消費欲求のことです。

衒示的欲求(高価な消費をしたい気持ち)を否定するつもりはありませんが、これは麻薬のようなものです。欲求を満たす瞬間は非常に気持ちのよいものです。

しかし、持続性はなく、効果が切れるとまた次の欲求を満たす必要が出てきます。また、欲求を完全に満たすことはおそらく不可能です。

古代ギリシャの哲学者・エピクロスは「今ある物で満足できない人は、どれだけあっても満足できない」と述べています。

しかし、多くの人は「あともう少しあれば…」と欲望を満たすためにさらに働くことを選択します。

さらにいえば、衒示的欲求を満たすためにはたくさんの浪費をする必要があり、それだけの所得を稼ぐ必要があります。

一般的に年収1000万円あればお金持ちという印象があるかもしれませんが、ちょっと羽振りをよくすれば、すぐに資金ショートするのが年収1000万円であり、衒示的欲求を満たすには足りないでしょう。

ちなみに厚生労働省の「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると、年収1,000万円以上の世帯は日本全体の12%程度しかいません。

そう考えると衒示的欲求を満たしてラットレースから抜けるということは、日本の上位数%の所得層に入る必要があり、並の所得では実現が難しいというのが現実でしょう。

では、もう一方の他者評価の世界から降りることでラットレースから抜ける道はどうでしょうか。

SNSをやめれば、生活コストは下がるのに… 集英社オンライン 他人の評価を気にしないというのは、圧倒的にお金を稼ぐことに比べれば簡単だと考えています。

とはいえ、「どういう人でありたい」「どう生きるのか」を考えたことのない人にとって、これはこれで難しいことかもしれません。

他者評価に依存する人は大抵どうありたいかを考えておらず、答えを自分以外に求めています。 その答えの1つが広告です。

スロべニアの哲学者・スラヴォイ・ジジェクは「現代人は足りないものを教えてくれる人を必要としている。だから広告が現代社会に欠かせないのだ。教えられて初めてもっと欲しいという意欲が出てくる」といっています。

 

 

SNSは一人一人が広告の役割を果たせるので、SNSを見て自分に足りないものを探し、消費活動に励み、それが資本主義を発展させているのでしょう。

だからこそ、他者評価の世界から降りるためにはSNSをやめればいいのです。 またSNSをやめることで生活コストが下がる人が多いでしょう。

「映える」という言葉は見せびらかし消費以外の何者でもありません。

簡単な数式にするなら、「手取り収入―消費―貯蓄=見せびらかし消費」です。

見せびらかし消費が減って消費が増えなければ、貯蓄が増えます。

こんな話をすると、「そんなことをいってるからお金を使う人が減って景気が悪くなる!」と指摘されるかもしれませんが、この記事を読んで実際にSNSをやめる人は100人に1人もいません。

そんなすぐにみんながやめられるのであれば資本主義はすでに終わっています。

いい換えれば、みんなが資本主義のラットレースから降りられないからこそ、降りられる人が資本主義の旨味を手にできるのです。

欲望とどう付き合えばいいのかは紀元前から考えられているテーマです。仏教やストア派哲学など多くの古典を読めば、そのヒントは得られるはずです。

とはいえ、古典とは誰もが読まなければと思いつつ読みたがらないものです。 しかし、そのヒントが数千円で手に入るのですから、試しに古典を手に取ってみるだけの価値はあるのではないでしょうか。

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