月利2%は、FXトレードをしている人にとっては非常に控えめな数字だと思います。
YouTubeや情報商材販売サイトなどを見ると、月利何十%と豪語する人がたくさんいます。
それでは長期間継続できませんし、どこかで破綻します。
また、月利何十%と出し続けている人がいたとしても、複利ではなく単利でしょうし、証拠金額も少ないでしょう。
もし、1億円以上の証拠金を月利50%で増やし続けている人がいたら、ぜひ教えてほしいです。まず、そのような人は存在しません。
たった10万円の証拠金でも、月利50%の運用をたった3年間続けたら、いくらになるでしょうか。なんと2184億円です。
「月利50%の安定運用」とうたっている人が、3年も続けられないはずはありません。「安定」なのに、3年も続かないというのはおかしいですから。
他方、わずか数ヵ月50%増やせただけで、「毎月安定して50%稼げる」などと言っていたら間違いなく詐欺です。
そのようなすごい商材を販売する人が、たった10万円で遊びのように取引して、「月利50%」などと言うでしょうか?
それを言うのがこの世界なのです。金融庁の規制も緩いのでやりたい放題です。
せめて、100万円、いや1000万円は証拠金にしないと、データとして信憑性がないでしょう。
100万円で、月利50%をたった3年間(36ヵ月)続けるだけで、資産は2兆円です。
1000万円で始めたなら、3年間で20兆円です。
それだけの資産を持っていれば、世界一の資産家です。
米大統領やユダヤ系の有力者をも凌ぐ、世界の陰の支配者になれます。
世界の陰の支配者が、なぜYouTubeで小遣い稼ぎをしているのでしょうか。
さて、月利2%で複利で運用するといくらになるのか、計算してみました。
100万円から始めても、月利2%の運用で3年後(36ヵ月後)には約204万円、10年後(120ヵ月後)には約1076万円になります(概算の金額です。税金は計算していません)。
決して月利2%をずっと継続できるとは思っていません。毎月利益にするというのはかなりの難易度です。月利ではなく年利でもよいのです。
年利10%~20%もあれば十分で、しかも、マイナスになる年があってもよいと思います。大事なことは継続することです。
5年、10年、20年と継続して、時間がたつほどに資産額が増えていく仕組みをつくることです。
それだけでも10年単位で考えていけば、10倍、20倍と増やせる可能性も出てくるのに、多くの人が、
「月利何十%出せないとFXをしている意味はない」
「デイトレがFXの醍醐味」
「デイトレでないと稼げない」
などという情報弱者ビジネス発信者たちの言葉を真に受けて、自滅しているのを見ると悲しくなります。
そういった情報弱者ビジネスをしている人たちが、怪しいユーチューバーや販売元も定かではない無登録業者だけかというとそうでもなく、立派な金融機関出身者を多数抱える業者も一部見られるので、その闇は深いです。
いずれにせよ、成功する投資家は複利運用をしています。単利ではギャンブルになってしまうことに加え、長期間継続すればするほど先細っていくからです。
ちなみに、単利による投機の最たるものは、宝くじです。給料は上がらないのに、ガソリン代や電気代、食料品はどんどん値上がりしています。
投資業界では、そうした人々の将来への不安から「少しでも資産を増やしたい」という切実な思いをターゲットにしたマーケティングが盛んです。
日本も政府主導で空前の投資ブームと言えるでしょう。
しかし、そうして投資行為に着手する前に、一歩立ち止まり、投資の本当の怖さやウラ側についてよく知っておく必要があります。
複利は「人類最大の発明」。複利で運用せよ 「投資は複利がよいか、それとも単利がよいか」という議論を聞くことがあります。
しかし、そもそもそんな話をすること自体が的外れで、投資とは基本的に複利運用のことを指します。 単利での投資は「投資」というより、副業のことではないでしょうか。
投資によってなぜ資本(資産)が増えていくかというと、投資には複利効果があるからです。
つまり、単利でお金を稼ぐことは投資とは言わないのです。
そして、複利運用では、現実的な問題として、年利回りとして最大でも20%~30%が限界であり、10%程度の利回りが得られるなら十分とのスタンスでいるべきです。
おそらく世界一有名な投資家であるウォーレン・バフェットの運用会社バークシャー・ハサウェイですら、平均利回り20%だということからも、20%の利回りは非常に優秀であり、それ以上のパフォーマンスを出し続けることは至難の業だとわかります。
0%~30%以上の利回りを出す投資家がいる場合は、ほぼ次の2つのケースのうちのどちらかです。
・運用期間が数年間など短期であること。
・短期間よい成績を出すことは難しくないこと。
それに対してバークシャー・ハサウェイは50年以上の平均が20%です。
少額の運用資金では高いリスクをとって高いリターンをたたき出すことも難しくはありません。ただ、少額でのハイリターンでは意味がありません。