氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

俺たちの時代はついに来なかった40代

いつの時代も40代は、自分の市場価値らしきものを突き付けられる年代です。

しかし、「今」を生きる40代は、今までとはちょっと違います。

会社の「若いもの嗜好」は年々高まりをみせ、数年前までは、ミレニアル世代がチヤホヤされていたのに、今ではZ世代信仰真っ盛りです。

デジタルネイティブで、社会貢献意識が高く、いとも簡単に海の向こうとつながります。

そんなZ世代の「育て方・扱い方・コミュニケーションの取り方」なるものが飛び交い、「若い人の意見を聞こう!」を合言葉に、40代はおろか30代もスルーです。

 

 

そこに40代後半に差し掛かる一介の会社員に食い込む余地はありません。

おまけに会社でも社外でも、DX、メタバースという横文字が飛び交い、「有能な人材が不足している」「年齢に関係なく、有能な人材を高賃金で採用する」「有能な人材の獲得方法」などなど、あちこちで「有能」という文字が使われる有様です。

コロナ禍でデジタル改革が一気に進み、多くの50代が「俺たちの時代は終わった」とやるせなさに襲われました。

一方、40代いわゆる就職氷河期世代の彼らは、バブル崩壊後の1990年代後半から2000年代前半に就職活動をし、たまたま就職時の時代が悪かっただけで、入りたい会社にも入れず、運良く入れても「正社員」という手形を失わないために、長時間労働に耐え、昭和の悪習を引きずる上司のパワハラに耐えました。

やっと下が入ってきたと思えば、「え? それ、業務命令っすか?」と仕事への価値観が全く異なるゆとり世代に翻弄されます。「俺たちの時代」なんて時代はないままに、賞味期限切れをむかえそうです。

まるで泥沼に入り込んだように「不遇」につきまとわれた世代です。

自分の「市場価値」を突きつけられることがやるせなく、情けなく、まるで金縛りにあったように身動きできなくなってしまったのでしょう。

しかし、どんなに時代が変わっても、「人の心の動き」は変わらないのも事実です。外からは決して見えない「本質的な心」は、最も変わりにくい部分です。

上昇停止症候群は、上を目指すことをモチベーションにしてきたミドル世代のビジネスパーソンが、ライバルや後輩に先を越され、自分の昇進の可能性がなくなった時に陥る症状のことです。

それまで前向きだった人が無気力になったり、自分でも説明できない喪失感が強まったり、何をやるにも自信をなくしたりと、一見うつ傾向に似た症状に襲われるのです。

キャリア理論では、この時期を「中期キャリアの危機」と呼び、早い人は30代中盤に、遅い人でも50歳前後までには、誰もが通過する儀式とされてきました。

 

 

「自分の市場価値はいかほどなのか?」「この会社は自分にふさわしいのだろうか?」「この仕事が自分の仕事の全てなのだろうか?」など、とめどもない不安に埋め尽くされます。

とりわけ、いわゆるエリートで、勤務先が大企業であればあるほど、社会的地位が高ければ高いほど、稼ぎが多ければ多いほど、「安泰」という2文字を無意識に求める思考が骨の髄まで染み込んでいるので、息苦しいものです。

将来が不安だというあいまい性は、自分が認識する以上に不快です。

このタイミングでしっかり自分を見つめ直し、新たなスタートを切れれば、人生後半戦の職業人生を充実させられる可能性が格段に高まります。

しかし、これがかなり難しく、具体的に動くことでしか、危機には対処できません。

息をひそめ死んだふりをしたり、何をやっても無駄、と主体的に動かないでいたりすると、たちまち「キャリア・プラトー」(キャリア発達の高原状態)と呼ばれるに伸びしろのない停滞期に陥り、つまらない人生を余儀なくされます。

ミドル世代に必要な「新たなスタート」とは「転職」とは限らないということです。

もちろん新天地でスタートできれば理想的かもしれません。

新たな環境の下、日常を共に過ごす人が変わるのは刺激的ですし、これまで自分が気付かなかった「自分」に出会え、自分が知らないことがたくさんあると痛感することで、「成長している感」を味わえます。

それは自分の可能性を信じる心につながり、「まだまだいける。もっと頑張れる!」と前に進むエネルギーが充電されます。

しかし、一方で転職をしないで、今の会社で目の前の仕事に決して手を抜かず、「会社のため」ではなく、「自分のため」に会社組織をうまく使う方法もあります。

転職よりむしろこちらの方が効果的なケースもあります。

今までの蓄積された経験が暗黙知として身体の奥底に刻まれていますし、会社という組織にはさまざまな武器=リソースがあります。

名刺を出す、会社の名前を言うだけで、「会ってくれる人」はいます。

 

 

転職の履歴書にかくほどでなくても、やってきた経験・培った技術を後進に移転することも、成長につながる武器になります。

その上で、「会社の仕事」だけではなく、「自分の人生の仕事」に精を出すと、回り回って「会社でのスキルアップ」につながるので す。

「自分の人生の仕事」とは人と競争したり、世間の価値観に合わせようとしていたのでは、自分らしい成功をつかむことはできません。

「幸福感・達成感・存在意義・育成」の4つの要素をバランスよく得られる“人生の友”に、関わり続けるプロセスの重要性があります。

・幸福感:人生から喜びと満足感を得ること

・達成感:何らかの業績で抜きん出るなど、自らの成長を実感できること

・存在意義:「私は意味のある存在である」と感じられる役目を得ること

・育成:自分の強みや技能を他者に受け継ぎ、その人の成功を助けること

そういった「自分の人生の仕事=自分らしい世界」を持てた人は、会社でも自分らしく納得できるプロセスを築ける可能性が極めて高いです。

確固たる価値観と「自分にはできる」という自信が仕事の場面でも生かされ、ポジティブな循環を生み出すのです。

そもそも人は「仕事」「家庭」「健康」の3つの幸せのボールをもっていて、これをジャグリングのように回せる働き方をすれば、人生は豊かになります。

働くという、一見しんどい作業が、豊かな人生を手に入れる最良の手段になります。

そして、もし「やっぱり転職しよう」と気持ちが高まったら、その時に一歩踏み出しても決して遅くはありません。

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