氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

40歳で人生の8割が終わっている

40~50代になり、「人生100年時代、残りの50年をどう生きようか」と考える人は多いのではないかと思います。

実際には、そんなにまとまった時間は残されていません。

健康寿命はもっと短いからということも一理ありますが、もっと端的な理由は、認識できる時間の速度が後半生になるにつれ加速度的に速くなるからです。

これまで感じてきた50年分の時間感覚と、これからの50年の時間感覚はおそらくまったく違うものになるはずです。

歳を取れば取るほど、なぜ、1年があっという間に感じられるのか、次のような論理があります。

 

 

「歳を取ると未経験のことが減るから、その分、時間を短く感じる」というもので、「ジャネーの法則」と呼ばれるそうです。

つまり、1歳のときに感じる時間の流れはそのまま1年分であり、2歳のときに感じた1年は、2年間の人生の内の半分なので2分の1に感じます。

3歳のときは2歳までに経験したことに対し、新しい1年は3分の1になるので、感じる時間は3分の1になる……というわけです。

ですから100歳まで生きるとしたら、人生全体の体感時間は、 1 + 1/2 + 1/3 + 1/4 + …… + 1/99 + 1/100  になるということです。

Hebo on Twitter: "@Rock_ozanari フランスの心理学者が提唱した ...

40代の頃、実際にこの算式を計算してみると、前述の式を、100歳をゴールにして合計します。その値は5.2です。そして40歳までの合計の数値は4.3です。

なんと人生の約83%(=4.3/5.2)がすでに終わっていることになるのです。

しかも、50歳時点では87%終了です。

例えば、自覚のない1歳から始めるからこんな結果になるのであって、小学校入学時点からこの理論を当てはめればどうなるだろうか、と。それでも、50歳時点の結果は80%程度でした。

1年単位で計算するからこんな極端な数字になるのであって、10年単位で計算しても40歳時点で人生の71%、50歳時点で人生の78%が終わっていることになってしまいます。

要するに、後半生は前半生とイーブンではないのです。

この思考実験からは、2つの学びがありました。

1つ目は、「時間は大切な希少資源だ」というシンプルな教えです。

流されて生きていれば、人生の残り時間はあっという間に終わってしまうということです。

2つ目は、この計算式を逆手にとればいい、という考え方です。というのも、この式は、41歳時の1年を、41分の1とみなします。

つまり、40年の延長と繰り返しで41歳を捉えている。いわば、「新鮮な体験はその程度だよ」というわけです。

41歳で未知の体験にいくつも挑戦すれば、1年が単なる41分の1ではなく、あらためて「1」に近づくような1年にできるかもしれません。

つまり、1歳の赤ん坊のような気持ちで41歳の日々を生きてみるのです。「なんだろう?」とすべてをゼロから眺めてみるのです。

ちょっと極端な言い方になりましたが、「1年毎に新しい経験をして、新鮮な時間を生きる」ことで、生きる時間が増えるわけです。

新たなチャレンジが、生きるうえでどれだけ大事か視点を変えてみましょう。

人一人の一生を、「資源」と見立ててみます。例えば、ビジネスにおける経営戦略論では、資源は次の5つに分類されます。

「人」「物」「金」「情報」「時間」の5要素です。

 

 

そこで、ビジネスを人生に置き換えて考えてみます。人生における経営資源はいかなるものか。

前述の算式で、後半生で最も希少になるのは「時間」だということがわかります。ここに経営戦略の基本を当てはめてみます。

経営戦略の基本とは、「限られた資源を注視する」ことです。 「限られた資源」こそが、戦略の本来の出発点になります。

この考え方を企業から人生に応用すれば、自ずと答えが出ます。後半生の戦略とは、時間の「配分」と「運用」から始まるのです。

これまでの延長線上での「やるべき事」ではなく、「やりたい事」に積極的に時間(資源)を配分しなければ、あっという間に後半生は終わってしまいます。

自分が最もやりたい事は何かを見極め、そこに強制的に時間配分を行うストラテジー思考が必要になるのです。

かつてアメリカの心理学者フレデリック・ハーズバーグ(1923~2000)は、「二要因理論」という説を展開しました。

二要因理論では、人間の満足や不満足には2つの大きな要因があるとされます。

1つ目は「衛生要因」、2つ目は「動機付け要因」です。

衛生要因とは、作業条件や給与、対人関係といった、それが整ってなければ不満足を招く要因を指します。

一方、動機付け要因とは、達成感、自己成長、承認といった、やる気やモチベーションにつながる満足を招く要因のことです。

相転移の機を迎えた人が注目するべきは後者、動機付け要因のほうです。

統合を迎える人生の段階では「目に見えないもの」、すなわち充実を感じられることに対して、より積極的に希少資源である時間を配分していくべきなのです。

ストラテジー思考を発揮するためには、自分の経営資源、いわば「自分資産」を知ることが必要になります。

企業の経営戦略において、事業環境である「外側」を理解するのみならず、「内側」にある自社の強み、つまり「持っている武器」を理解しなければならないのと同じ理屈です。

具体的には、実人生の〝棚卸し〞が要るわけです。

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