氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

FIREを達成するためのポイント

FIREの基本は、資産の4%で年間生活費をまかなえば、資産のリターンが引き出し率を上回るので、元本を減らさずに一生過ごしていけるという考え方です。

FIREを達成している方は、投資可能額か運用利回りのどちらかが大きく突出しているので、FIREに必要な金額を達成しています。

投資可能額(収入‐支出)×運用利回り=資産評価額

これを大きくするためには、

・平均を大きく上回る収入があるか

・仙人のような節約生活をしているか

・集中投資で大成功するなどして運用利回りが飛び抜けているか

のいずれか1つ以上、またはそれらをバランスよく組み合わせる必要があります。

 

 

FIREを達成した人は、「収入」「支出の少なさ」「運用利回り」のうちのどれか、もしくは複数が突出しています。

これはFIREにおいて重要なポイントです。これらのうち何かが突出していれば、年間生活費の25倍の資産をつくることは理論的に可能です。

収入が平均的で、ハイリスクな投資をしないとすると、若い時代の経験にほとんどお金を使わずに、収入をひたすら投資に回してようやく達成できる数字かもしれません。

たしかに少しでも安心するために、年間生活費の25倍以上を貯められるに越したことはありません。若い時代を犠牲にしすぎるなら、もっとゆとりのある計画を検討することも考えてもよいでしょう。

また、この4%ルールは、年齢や年金は一切考慮されていません。30代でFIREしたいなら、残りの寿命はとても長いので、働かなくても半永久的に生活できるくらいの状態でないと精神的にも不安になります。

しかし、50代で引退する「プチFIRE」なら、もう少しハードルは下がります。アメリカのミリオネア、ビル・パーキンス氏による著書『DIE WITH ZERO』では、資産のピークを「金額」で決めるのではなく「時期」で決めるべきだと主張しています。

その時期とは、健康状態を示す「生物学的年齢」です。健康状態は人により異なるため、資産を減らし始める年齢も異なりますが、45歳~60歳からは資産を減らしていくべきとしています。

「金額」を目標にしてしまうと、「たとえ何年かかってもその金額を目指すべき」という意味合いが込められてしまいます。人生を楽しむには、お金だけでなく健康と時間も必要です。

お金は増えれば増えるほど複利の力でもっと増やしやすくなりますが「時間」は有限です。

「健康」も努力して保つことはできますが、基本的にはどんどん衰えていくものです。

目標額まであともう少しを貯めるために、リタイアを5年先に延ばしたとして、それにより年齢を重ねて体力が衰えたら、たとえお金があっても、そのお金を使ってできることが限られてしまいます。

つまり、人生の幸福度を上げる機会を逸することになるのです。

しかし50代なら、もう少しで年金受給年齢が見えてきます。年金受給時期まで資金を保ち、かつ年金受給後の不足額を補うことができれば、今まで早期リタイアは無理だと思っていた人でも可能性が出てきます。

早期リタイアを検討する5ステップを紹介します。

 

 

1 年金額を確認する

PCやスマホから最新の年金情報を確認できる日本年金機構の「ねんきんネット」で、さまざまなシミュレーションが可能です。

「年金見込額試算」を使えば、年金を受け取りながら働き続けた場合や、会社員を途中で辞めてそれ以降は国民年金だけを払い続けた場合、厚生年金の受給額がどれだけ減るかなども試算できます。

2 引退後の生活費を予想する

引退後の生活費は現役時代の70%程度とよく言われます。もちろん人によって異なるので、自分の生活スタイルを予想する必要があります。

3 年金受給後の不足額をまかなえる金額を4%ルールで計算する

生活費から年金を引き、不足額を計算します。ここで4%ルールを活用します。月5万円の不足なら、年間で60万円。25倍の1500万円があれば、運用をしながら不足分をまかなえます。

ただし、これには投資リターンが4%という前提があることに注意しなければなりません。自分で設定したポートフォリオの予想リターンがすべて4%とは限りません。

リタイア済みならば、安定を求めてリターン3%ほどの安全性の高いポートフォリオを組んでいる可能性もあるはずです。

年利○%で複利運用しながら毎年○万円ずつ取り崩すとしたら、最初にいくらあればいいか」を計算しておきましょう。

4 FIREしたい年齢から、年金受給まで資金を保てる金額を計算する

Excelには、「PMT関数」というものがあります。一定利率の支払いが定期的におこなわれる場合の、ローンの定期支払額を算出する財務関数です。

この関数を使うと、何%で運用しながら毎月いくらを取り崩すと、現在価値いくらのお金がいくらまで減るか、といった計算ができます。

5 FIRE時の目標額を達成する

最後に、FIRE時の目標額を達成する運用計画を立てます。年利何%の期待リターンが必要かを調べます。

金融庁の「資産運用シミュレーション」などを使えば、目標金額のために利回りいくらでいくら積み立てればよいかがわかります。

以上が、ゴールから逆算をするプチFIRE計画の5ステップです。

年齢に応じて、より現実味のある計画を立てる方法です。補足になりますが、市況に応じて「現金ポケット(市況が悪いときに元本を毀損させないための生活資金)」を利用するための余力はあったほうがいいでしょう。

 

 

次に、どんな資産で運用するかについてです。大きく分けて、「資産を増やすフェーズ」「守りながら使うフェーズ」に分けられます。

「資産を増やすフェーズ」では、配当を受け取らずに再投資される資産のほうが、税金面で有利になります。

一度配当としてもらってしまうと、課税されてから再投資をすることになります。配当がなく自動的に再投資される資産なら、税引き前の金額を再投資し、最終的に取り崩すときに税金がかかります。

結局同じに感じるかもしれませんが、実は後者のように「税金を先延ばし」するほうが、資産は増えるのです。

そのため、配当が出ない資産のほうが増えるペースは早くなります。

しかし、「守りながら使うフェーズ」になると、配当が出る資産のほうが運用が楽になります。自分で取り崩そうとすると市況を見てしまい、お金を引き出すタイミングを迷ってしまうからです。

自分でポートフォリオを調整することが苦ではない人は配当が出ない資産を活用しながら、もしくは配当が出ない資産と配当が出る資産を併用しながらの運用になるでしょう。

以上、FIREはとても話題を呼んでいますが、簡単なものではありません。

基本的には、収入・支出の少なさ・運用利回りのどれかを突出させることができれば、若くして達成することも可能でしょう。

もしそうでない場合は、50代のプチFIREが現実的です。また、お金をたくさん余らせて人生を終えるのも、なんだかもったいない気がします。適度に取り崩しながら運用をするのが「幸福度の最大化」につながるでしょう。

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