氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

氷河期世代「もう手遅れ」一生、救われない地獄絵図

昨今、問題視される所得格差です。低収入で困窮する人たちは、その状態から脱しようと努力するも、現実はなかなか厳しいものです。

なかでも学卒時、希望の職業に就くことができず、40~50代になったいまでも非正規社員に留まる人たちは、浮上のきっかけを掴めずに、今に至ります。

OECDの資料で各国の貧困率相対的貧困率。等価可処分所得が貧困ライン以下の世帯に属する国民の比率で、貧困ラインは全国民の等価可処分所得平均/中央値の50%)をみていくと、最新2019年の統計では、日本は主要42ヵ国中12位(2018年のもの)です。

 

 

また先進7ヵ国で見ていくと、日本は米国に次ぐ順位(米国は4位)。世界主要国のなかでも貧富の差が大きな国です。

一方、日本の貧困率を経年でみていくと、2000年代に入り数値は悪化しています。

貧富の差は大きくなり、リーマンショック東日本大震災後の2012年には16.1%に達しましたが、近年は少しだけ改善の方向にあるようです。

貧富の差、つまり所得の差の大きくなったのは、2004年の派遣法の改正によるところが大きい、という論調が強くあります。

派遣法ができたのは、1985年のことで対象業種は13だけでしたが、1999年の改正で原則自由化となり、さらに2004年には例外扱いで禁止だった製造業や医療業務への派遣が解禁となり、基本的に無制限となりました。

確かに、2000年代の貧困率の上昇と一致しています。

ただ「派遣無制限」と「所得格差拡大」はイコールとまではいえなく、それ以前に、派遣などの立場の人の時給が低いということが根本的な理由だといえるでしょう。

 

 

同じくOECDの統計によると、世界主要31ヵ国の最低賃金水準(フルタイム従業員の平均賃金を100とした場合の法定最低賃金の比率)をみていくと、日本は45.17%で27位です。

賃金水準からして、格差が大きいのですから、所得格差が大きくて当然のことです。

最低賃金で働かざるを得ないのは、多くは正社員以外の人たち(正社員でも最低賃金以下、ということも往々にしてありますが)です。

特に正社員と非正社員の格差、というものが最初にクローズアップされたのは、就職氷河期世代が最初かもしれません。

就職氷河期バブル崩壊後、1993年から2005年に卒業した人たちで、1971年~1981年生まれ、2022年時点で41歳から51歳を迎える人たちを指します。

新卒求人倍率が下がり続け、2000年には0.9倍まで落ち込みます。さらに15~24歳の完全失業率は、2003年に10%を超え、就職氷河期はピークに達しました。

大学を卒業したのに、満足いく就職先が見つからない……そのような状況下、非正規でもなんでもいい……と社会に出る人も珍しくありませんでした。

その後、雇用環境が改善した際に、転職などを成功させて正規社員になれた人はよいほうで、なかには、一度も正規社員になったことがない人もいます。

いわゆる「不本意正規」は20代~40代で25%前後いますが、50代で31.7%に達します。 いま政府は氷河期世代の支援について積極的に口にしていますが、そこで救われるのはほんの一部です。そして氷河期世代の中でも若い人たちです。

 

 

一度も正規社員になっていない人は、キャリアが不十分、でも年齢は中間管理職世代です。

そのような人たちを企業側が採用したいかといえば、よほどの優遇制度がない限りは難しいでしょう。

正規社員の平均給与は月35万円、手取りにすると27万円、推定年収は522万円です。

対して非正規社員の平均給与は月23万円、手取りにすると18万円、推定年収で300万円です。

低賃金のため、日々の生活だけで精一杯で、結婚など考えられず、老後を見据えての貯蓄も進まず、低賃金による負のスパイラルが、いつまでも付きまといます。

氷河期世代の支援を後回しにした結果、「中高年のひきこもりが増加した」「出生数が減少した」「マネージメント層が不足」など、さまざまな弊害が起きています。

ただ、いまから苦汁をなめた氷河期世代を救ったところで、これらの問題は解決することはないでしょう。

氷河期世代の支援は具体性にかける」とか「人気取りでしかない」などの批判はよく聞かれますが、支援による効果を考えてみれば当然の話です。

もう手遅れであり、当の本人たちは諦め(元々、期待していないという声が聞こえてきますが)、できる範囲で将来に備えることしかできないのです。

数年後には人口構成が団塊世代を抜き、この世代が一番多くなり、日本の人口ピラミッドはきれいな逆三角形となります。

政府はこの状況をただ傍観し、この世代が全て死ぬのを待つことで、医療、介護及び年金などの問題も自然と解決させようとしているかもしれません。

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