氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

就職氷河期世代の重大事件が続いている

近年、親は中流だが子どもは中流になれない、昔なら中流になれた人が中流から落ちるという背景から生まれたと思われる事件が目立っています。  

7月の安倍元首相殺害事件もそうで、思想上の理由はなく、犯人の母親の信仰した宗教団体と安倍元首相との関わりが原因でした。

しかし、それも教義の問題というより、母の宗教行動により家庭経済が破綻したことが犯人の進路に大きな影響を与えたことが犯行の重要な原因であるようです。  

彼の父は京都大学卒、母は大阪府立大学卒だそうで、学歴だけ見れば「中の上」とも言える家庭です。

彼も奈良県進学校に通っており、成績も良かったようなので、名のある大学に進学して、親と同様の中流家庭を築ける可能性はあったと思います。

 

 

その可能性が母の宗教行動によって完全に閉ざされた、つまり中流階級を維持することが不可能になったわけです。  

この事件以前にあった過去数年の大事件を見ると以下のようなものがあります(年齢は逮捕時)。

・2016年、神奈川県相模原市の障害者施設やまゆり園で元施設職員の26歳男性(1990年生まれ)が施設に侵入して入所者・職員計19人を殺害した。「障害者には生きる意味がない」と話している。父は教員。本人も途中までは教員志望でした。

・26歳男性(1990年生まれ)がツイッターで自殺希望者を集め、座間市にある自宅アパートで、若者など9名を殺害、バラバラにして部屋に放置。事件は2017年発覚。

・2019年5月、小田急沿線川崎市多摩区内に住む51歳のニート男性(1967年生まれ)が有名私立小学校の親子数名を殺傷。親が離婚し伯父宅で育っており、いとこが入学したのがその小学校でした。

・2019年6月、上記事件を知って、練馬区の元農林水産省事務次官が44歳(推定1975年生まれ)の ニートの息子が同じような事件を起こす前にという理由で息子を殺害。息子は両親に暴力をふるっていました。

 

 

・2019年7月、大手アニメーション会社・京都アニメーションが42歳の男性(1978年生まれ)により放火され多数の社員が死亡。男性は少年時代にさいたま市在住。男性は埼玉県庁非常勤職員、コンビニ店員などをしていました。

・2021年8月、小田急沿線川崎市多摩区内在住の36歳男性(推定1985年生まれ)が、小田急線車両内で無差別殺人を狙い、数名が重軽傷。「勝ち組の典型的な女性を殺そうと思った」と供述。青森県出身、中央大学中退、非正規雇用者。

このようにこれらの事件の犯人は、ほぼ中流家庭育ちであると思われますが、家庭に何らかの問題があったケースも少なくなく、自身は非正規雇用者の男性であることが共通しています。  

世代的には安倍元首相事件の山上が1980年生まれ、京都アニメ事件犯人が78年生まれと同世代であり、2008年の秋葉原無差別殺傷事件犯人(82年生まれ。22年7月死刑執行)、神戸市須磨区での児童殺傷事件の犯人(82年生まれ)とも同世代です。

少し広めにとれば元農水省の息子や小田急線車内殺人未遂事件の犯人もほぼ同世代であり、1975年から85年生まれです。

ほぼいわゆる就職氷河期世代、ロスジェネ世代に当たります。

たまたまですが、地理的には、首都圏の事件は小田急沿線郊外で目立ち、関西圏では安倍元首相殺害事件、京都アニメ事件は国道24号線沿線です。

安倍元首相殺害事件の山上容疑者は奈良市内で育ち、事件当時は近鉄奈良線新大宮駅周辺に住み、事件が起きたのは奈良線橿原線が交わる大和西大寺駅です。その2つの駅の間を24号線が走っています。  

国道24号線沿線や近鉄沿線はこれまでにも大事件が多かった近鉄沿線の大阪、京都への通勤圏の郊外地域です

古い資料ですが1992年版の「警察白書」では過去20年間犯罪が増加している地域は、人口増加率はそれほどでもないものの核家族化により世帯数が急増した地域です。

 

 

また、新たに急増した世帯が多く住むのは従来田畑であった周辺地域に新市街地ですが、一箇所に集中せず、市内各地に点在しており、住民の地域社会への結びつきが希薄であることが、犯罪増加の背景ではないかと分析されています。  

それらの地域は自動車社会であり、人々の活動範囲が飛躍的に拡大し、短時間で警察所管区域や県境を越えて移動することが容易であるため犯罪の捕捉が難しいのです。

そうした現象の典型的な地域として挙げられているのが、関東では北関東、関西では24号線沿線などの京阪奈地域でした。  

そうした地域に生まれ育つと犯罪者になりやすいのというものではありません。  

しかし、それらの新興住宅地では、困ったときに気軽に近所の人などに相談できるとか、住民同士が助け合うなどといったコミュニティー性が弱く、悩みがあっても家族、親族の中でしか解決できないという可能性はあります。

ただ、田舎に行けば素晴らしいコミュニティーがあるわけでもありません。村社会では様々な細かいルールがあり、助け合いの精神があるので、人付き合いのうまくない人は生きていくことはできません。過去に村などの過疎の地域でも凄惨な事件は起こっています。

いずれにせよ、就職氷河期世代はほかの世代と比べ必ずしも恵まれているとはいえず、社会に不満を持った人が少なくとも増えていることは事実です。

このような個人の問題として解決できない事件が、今後増加していくことは間違いなさそうです。

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