氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

NHK受信料不要でチューナーレステレビが爆売れ

2021年末以来、注目を集めている家電があります。

地上デジタル放送やBS・CS放送が見られない「チューナーレステレビ」です。

これまでも、テレビチューナーを内蔵していない製品は、PC用や業務用などのモニターやディスプレイのカテゴリーで販売されていました。  

しかし、21年12月にドン・キホーテが発売した「AndroidTV 機能搭載チューナーレス スマートテレビ」は、6000台の初期ロットが早々に売り切れるほどに大ヒットになりました。

これはチューナーレステレビの可能性を明らかにしたのです。

 

 

そして22年7月現在、複数のメーカーからチューナーレステレビが発売されています。

NetflixYouTubeだけを見る若者向けに  実は17年にも、ドン・キホーテは50インチのチューナーレステレビを発売していましたが、今回のような話題にはなりませんでした。  

パソコンやゲーム機を接続するといったチューナーレスでのニーズは以前からあり、16年には家電ベンチャーUPQやDMMが50インチの4Kディスプレイを発売しました。

また日本向けのテレビ電波を受像できないことから、韓国国内用のテレビをモニターとして販売しているネットショップもありました。  

とはいえ当時の大型4Kディスプレイと、今、注目を集めているチューナーレステレビには大きく異なる点があります。

それがYouTubeNetflixなどの動画配信サービスを視聴できるスマート機能の有無です。このスマート機能の搭載がブレイクスルーだったのです。  

ドン・キホーテのチューナーレス スマートテレビには、標準でAndroid TVが搭載されており、この製品だけで、YouTubeNetflixなどが見られます。

まさにリモコンひとつで、動画配信サービスだけを楽しめる製品なのです。

「テレビ放送は不要」と考えれば割安で購入できる点が人気となりました。

そしてこの安さには、もう1つの意味があります。

若者を中心としたテレビ離れにより、テレビチューナーを搭載しなくてもいいという考えが生まれています。

さらにこの気持ちを後押しするのが、NHKの存在です。

放送法第64条には「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と定められています。

ここでいう協会とは「日本放送協会NHK」を指します。  

 

 

NHKの受信料は、最も安い地上契約の12カ月で1万3650円。1カ月あたりの費用は1137.5円。これが「TVを持っている」だけでかかるわけです。

約3年間で4万円超とテレビ本体よりも高くなります。 

これを渋った若者層がドン・キホーテのチューナーレス スマートテレビを「NHKに受信料を払う必要がないテレビ」として支持したのです。

そして、ここに市場があると判断した複数のメーカーが、こぞってチューナーレステレビを続々と発売している状況です。  

例えば、ドウシシャが6月下旬に発売した「ORION Android TV搭載 チューナーレス スマートテレビ」は、24V型、32V型、40V型、50V型と4モデルをラインアップしています。通常のテレビのようにサイズを選べます。

ドウシシャによると販売も好調で、動画視聴の目的はもちろん、家庭用ゲーム機用のモニターとして使うユーザーも多いといいます。

チューナーレススマートテレビが人気になっている一番の理由が、動画配信サービスの視聴機能、つまりスマート機能です。

大手メーカー製テレビの場合、低価格モデルにはスマート機能を搭載しないことが多いのです。

つまり、3~4万円で購入できる大手メーカーのテレビの多くはスマート機能を搭載しておらず、別途、Amazonの「Fire TV Stick」といったスマート機能を自分で取り付ける必要があります。

ならば最初からテレビチューナーの代わりにスマート機能を搭載した方が良いと考えるはごく自然な発想です。  

また、そもそもテレビという言葉は、「テレビ放送」そのものを指す場合と、「テレビ受像機」という物体を指す場合があります。

物体としてのテレビは、テレビ放送を受像するためのチューナーを搭載しているのが当然だったわけです。

 

 

しかし「チューナーレス」テレビの登場により、物体としての「テレビ」の意味は大きく変わり始めました。  

大手メーカーはまだチューナーレステレビを一般発売していませんが、6月には、エディオンがTCLと組んで独自のチューナーレステレビを発売しています。

このTVは低価格での勝負ではなく、動画配信サービス視聴、ゲームモード、Dolby VisionやHDR10などの高画質化機能、高音質機能Dolby Atmosなどを搭載している点です。  

このようにスマートテレビ市場が大きくなれば、現在、様子見をしているであろう大手家電メーカーからチューナーレススマートテレビがいつ登場してもおかしくありません。

もちろんテレビ放送側も手をこまねいて見ているわけではありません。

民放キー局5局のテレビ番組が配信で見られるネットサービス「TVer」は、今年の4月よりリアルタイム視聴にも対応しました。

つまり、チューナーレススマートテレビでもアプリを入れれば民法のテレビ放送が見られるということです。

もちろんこの場合も、チューナーが内蔵されていないのでNHKの受信料はかかりません。  

NHK党が訴えていることも含めて、今、チューナーレススマートテレビが「テレビ」の意味を大きく変化させるきっかけになることは間違いなさそうです。

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