氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

職場は怒りの多発地帯

職場とは、そもそも「怒りの多発地帯」です。また、人とは本能で他人に勝ちたいものです。出世競争が激しければ、妬みが生じたり、派閥間の争いも発生したりもします。

アドラー心理学では「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と言われています。もし、この世界から対人関係がなくなってしまえば、それこそ宇宙のなかにただひとりで、他者がいなくなってしまえば、あらゆる悩みも消え去ってしまうでしょう。

しかし、経営の悪化、多忙、人材不足、不祥事、将来性がないなどで疲労が積み重なった現場では、お互いの警戒が高まり、必要以上に人間関係がギスギスしてしまいます。

疲労には3段階とあるといわれていますが、個人レベルでは次のように考えられています。

疲労の1段階  何かストレスがかかっても、一晩寝れば元に戻れるという、通常の状態です。

疲労の2段階  疲労が重なり、同じストレスがかかったら一晩寝ただけでは戻れず、回復には2倍の時間やエネルギーを要する状態です。

 

 

表面上は通常通りを装っていますが、潜在的に自分が弱くなっているのを感じているので、周囲に対する警戒心が高くなり、怒りや不安の感情も、2倍発動しやすくなります。

理由のないイライラが始まり、怒りっぽくなります。

疲労の3段階  疲労が深まり、消耗した状態。回復には3倍の時間がかかります。周囲や世の中への警戒も3倍、イライラ、怒りなどの感情も3倍です。

エネルギーが枯渇して、心も体も動かなくなってしまいます。いわゆる「うつ状態」です。  

個人レベルでも組織レベルでもなんらかの要因が重なり、メンバーの3分の1が「疲労の2段階」になると、組織自体が「疲労の2段階」に陥り、トラブルが急激に起こり始めます。これが「2段階職場」といわれるものです。 

もちろん人間関係のトラブルは、通常の職場でも起こりえます。  

それでまた疲労が深まっていくという、悪循環に陥ります。 「2段階職場」では、いわゆる「スケープゴート(生贄)」も生まれやすくなります。  

調子が悪い時、人は「原因究明」をしたがります。すると、その一つとして「あの人が悪いからだ」と、攻撃対象が生まれるのです。  

多くのメンバーがイライラしている中で、共通の攻撃対象が1人いれば、少なくともその間は、怒りの矛先は攻撃対象以外には向かいません。

 

 

スケープゴートを仕立てることで、人は我が身を守り生き残ろうし、組織統制を安定化させようとするのです。逆に言えば、健全な組織ではスケープゴートは発生しません。  

全員が疲労しなければ、その組織は2段階職場には絶対にならないでしょう。でもそれは現実にはありえません。

さらに組織内の疑心暗鬼ムードは、少なからずお互いの情報不足からきていることが多いです。  

ちょっとしたコミュニケーションの積み重ねがそれを解消してくれるでしょう。

例えば、少し雑談をしたら、驚くほどネガティブな雰囲気が解消されるのは、経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。  

だからこそ、職場では大切な仕事として、「休憩」と「相互のコミュニケーション」を意識的に入れ込んでいくべきなのです。  

また、危機に瀕した時、「やらない業務」を決めて明言することです。  

実際の企業においては業務を減らすことは、収益やチームの成績が下がることを意味しており、なかなか難しい決断かもしれません。  

「2段階職場」にある場合、健全な状態に戻すためには、小手先の対処よりも、長の“腹決め”が重要なポイントとなります。

自分が今「2段階職場」にいるならば、たとえ今は被害者や傍観者の立場であったとしても、「怒り」の感情が、あなた自身を蝕み始めるでしょう。  

組織内に発生した「怒り」はやがてエスカレートして、トラブルが多発します。

自分自身にも「怒り」が発生して、さらなる怒りのエスカレーションが、周囲にも自分の中にも引き起こされていく可能性が高いでしょう。  

 

 

今後、職場の状況が改善しないのが明らかであれば、直ちに「離れる」、速やかに「退却」することを考えるほうが良いと思います。  

もちろん実際には、それぞれの人生においてあらゆる要素が関わり、見極めが難しいことはわかります。

最悪なのは本人がすでに「疲労の3段階(うつ状態)」になっていると、そう簡単には職場をやめられなくなる、というメカニズムです。  

疲れ切った状態では「今の環境を捨てる」という行動も、大変なエネルギーを要します。

カウンセリングの現場でも、勤めている会社がブラック企業に近い状態で、本人はそのせいで疲れているのに、当の本人がやめたがらないというケースはとても多いです。

退却するという選択は、元気な状態でないと決断できません。

もし今の時点で、「2段階職場」にいる場合は、自分自身のエネルギーが本当に枯渇する前に、早め早めに離れる選択を検討することも選択肢の一つです。  

すでに自分で決められない状態に陥っていると思う場合は、ぜひまだ健全な方に相談をしたほうがよいです。  

コロナ禍の影響もあり、個人レベルでも組織レベルでも疲労が深まり、これからは「2段階職場」も増えていくと予想します。

まず大切なことは、「自分自身も他のメンバーも、ロボットではなく生身の人間。お互いにエネルギーには限界があり、疲れるものなのだ」と認識することです。

職場に自分の人生を支配されることから早く抜け出し、新たに自分の人生を切り開いていくことも必要です。

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