氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

男の未婚率の増加と肥満割合の上昇が完全に一致

先日、厚労省が、健康に影響が出やすいとされる「やせている」状態の若い女性を対象とした生活習慣などを把握する実態調査を行うことを発表したというニュースが流れました。

確かに、女性に関しては全年代的に「やせ型」の割合は近年増えており、それに伴う健康への影響をふまえれば実態調査は必要だとは思います。

しかし、一方で、男性側の「肥満型」の割合の増加も止まらないのも事実です。

厚労省では、BMI22を標準とし、25以上のものを肥満と定義しています。

BMI=[体重(kg)]÷[身長(m)の二乗]

2019年の厚労省「国民健康栄養調査」によれば、この肥満といわれるBMI25以上の割合は、20代男性で23%、30代でも29%、40~50代男性に至ってはほぼ4割です。

1980年からの長期推移を年代別にみると以下の通りです。

30-50代は1980年代から現在にかけて仲良く一塊りとなって上昇しています。

30代はまだ持ちこたえているものの、40-50代は1980年と比べるとほぼ倍増です。

さらに、20代もかつては10%程度だったものが2015年から2017年にかけては26%台と大きく増えています。

日本は1980年代まではほぼ全員が結婚する皆婚社会でした。生涯未婚率は1990年代に入り、男性が先行して上昇し始めました。

男性の肥満割合の上昇も1990年代からあがっています。20代に関していえば大部分が未婚ですので長期の未婚率と肥満率との相関が以下に示すとおりです。

実に、相関係数が0.9563というほぼ最大値の1.0に近い強い正の相関となっています。

20代男性の未婚が増えたのは、彼らの肥満が増えたことと完全にリンクしているのです。

だからといって、「20代男性が肥満になったから未婚が増えた」「肥満の若い男性が結婚できなくなった」などという因果までは断言できません。

しかし、男性の肥満と未婚の相関を考えると、独身男の食生活 そもそも独身男性は、消費支出に占める食費の割合であるエンゲル係数が高いのです。

消費支出の約30%を食費にあてています。既婚者が25%、独身女性が20%であることと比較しても突出して高いのです。

その最大の理由は、外食が多いからです。

家計調査で見ても、独身男性の外食費は実に一家族の外食費の1.7倍です。つまり、一人で一家族の倍近い外食費を使っているのです。

外食自体が直接肥満に結び付くものではなく、外食でもバランスのいい食事をすれば問題はありません。

 

 

しかし、世の独身男性たちは、多分、ラーメン、カレー、焼肉、とんかつ、唐揚げなどを糖質や脂質の多いメニューを好んで食べています。

そうした日々の食生活が結果として20代での肥満の増加につながっているのです。

美味しい食は何よりも勝る「快楽」 さらに、食はもっとも手っ取り早く快楽と幸せを感じられるものです。

糖質を摂取すれば、それだけ瞬間的に満足感を脳が感じやすい。 独身男性は既婚者に比べても、女性に比べても幸福度が低いという統計もあります。

食によって、そうした不幸感を払拭しようと思ったとしても不思議ではありません。 

美味しい食を追及することは決して悪いことではありません。

しかし、こうして肥満の推移と照合し、未婚率の上昇ともあわせて見てしまうと、食の快楽だけで満足を得てしまうがゆえに、面倒な恋愛や結婚などへの興味を失ってしまっていくのではないかという仮説も成り立ちます。

だとすれば、少子化対策としての婚姻増は、AIによる婚活支援でもなく、ましてや内閣府の言う「壁ドンの練習」などてもなく、男性のダイエット支援という新たな視点が生まれてきます。

突き詰めるならば、50歳時点の生涯未婚者のうちの肥満割合が既婚男性と比べて多いのか少ないのかを調査すればその仮説の検証も可能かもしれません。

 

 

しかし、実はそれ以上に気がかりなのが、10代の子どもの男児の肥満傾向児が増えていることです。

肥満傾向児とは、性別・年齢別・身長別標準体重から以下に式で求めた肥満度が20%以上の者を指す。

肥満度=(実測体重-身長別標準体重)/ 身長別標準体重× 100(%)

これによれば、1980年と2020年とを比較した場合、6歳から10歳までの男児がすべて2倍以上に増えており(最大は7歳の2.5倍)、11歳から14歳のすべて1.7倍以上です。

女児もあがっていますが男児ほどではありません。

当然、彼らは親と同居であり、それほど外食が多いわけではないでしょう。

そんな子たちが肥満化しているのは、決して贅沢な食事をしているというものではなく、むしろ安価で満足感の高い高糖質食品を摂取せざるを得ないせいかもしれません。

こんなところにも「失われた30年」による日本全体の貧困化が押し寄せているのだとしたら由々しき問題です。

あわせて、このように男児の肥満が増えていくと、彼らが20代の結婚適齢期になった時の未婚率の上昇も懸念されるところです。

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