氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

人口減少を食い止める策に打つ手なし

日本の少子化がいかに危機的な状況に置かれているかは、合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供数の推計値)が証明しています。

2005年に過去最低の1.26にまで落ち込んだ後、わずかに上昇へと転じて2015年は1.45にまで回復しましたが、その後は再び下降線をたどり2021年は1.30です。  

仮に、日本の人口減少を長期的に止めようとするなら、合計特殊出生率を「人口置換水準」(親世代が同数の子世代によって人口を維持し得る出生力の水準)である2.07にまで上昇させなければなりません。

1.30というのは、あまりにもかけ離れた数字です。  

 

 

さらに悪いデータがあります。合計特殊出生率1.5を境として、少子化が比較的緩やかな「緩少子化国」と、非常に厳しい状況に置かれている「超少子化国」とに分類されます、日本は1995年以降1.5を下回ったままです。

いったん「超少子化」に陥った国の合計特殊出生率が1.5以上に大きく回復したケースは、一部の例外を除いて見つからないのです。  

超少子化国は「低出生率の罠」に陥ることです。

合計特殊出生率が長期低迷すると、子供が少ないことが「当たり前」となってしまい、それに合わせて人々の意識やライフスタイルが変わってしまう状態のことです。

日常生活の中で小さな子供と接する機会が激減すると、子供を持つことのリアリティーが薄らいでいきます。

こうした変化の積み重ねが、合計特殊出生率のV字回復を阻む大きな原因です。  

残念ながら、「低出生率の罠」にはまってしまった現在の日本にとって出生数の劇的回復も、合計特殊出生率の大幅上昇も容易ではありません。

もはや、政治家も官僚も「少子化を止める」などといった意気込みを語るだけでは済まない段階にあります。

出生数が減り続ける以上、今後の少子化対策は2つに分けて考える必要があります。

1つはこれまで通り子育て支援策です。出生数の減少に歯止めがかからないからといって、この状況を放置してよいということにはなりません。  

出生数が減少することは仕方ないにしても、そのスピードが速ければその分だけ総人口の減少も速くなります。

そうなれば社会の激変は避けられず、国民生活へのダメージも大きくなります。

 

 

少しでもペースを遅くすることは重要なことです。  

ただし、子育て支援策を手厚くするだけではあまり成果は期待できません。子育て支援はあくまで子供が生まれてからの政策です。

政府はようやく結婚や不妊治療のサポートなどにも力を入れ始めたが、「子供が生まれる前」の段階の支援策をさらに強化する必要があります。  

もう1つの対策は、出生数が減り続けることで起こる社会課題への対応です。

これまでこうした政策はほとんど手つかずでした。

多くの政治家が「少子化を止められないと言ったら、政治にならない」と語ることで明らかなように、後ろ向きの姿勢をとることへの批判を回避したいという政治的思惑が存在するのです。  

しかしながら、できもしない幻想をふりまき続けることの罪は重いです。

過疎化が進行している地方では、すでに公立小学校の統廃合などの課題が現実のものとなっています。

いま求められているのは、人口が増え続けていた時代に作られた制度や、人口が増えること当て込んだビジネスモデルを、人口が減っても維持できる仕組みや手法へと根本から変えることでしょう。  

出生数減が進み、総人口が高齢化しながら減っていけば、国内マーケットは縮み、人手不足は深刻化します。

売り上げを拡大しながら成長するビジネスモデルの多くはどこかの時点で破綻します。

 

 

出生数減はマーケットの縮小を招くだけでなく、若者が減るので社会から「勢い=活力」を削いで行きます。

若い世代が減るにつれて、会社などの組織では新陳代謝が進みづらくなりますが、各職場でマンネリズムが広がれば日本社会全体としてもイノベーションやブームを起こす力が衰えていきます。  

すでに日本経済は成長の鈍化が著しいですが、これも出生数減による社会の停滞と無縁ではありません。

技術立国として経済成長を続けてきた日本が技術の優位性を無くしたならば、経済だけでなく国力の衰退にも直結します。  

出生数が減っても企業が利益を伸ばし、イノベーションが起こり続けるよう、教育やスキルアップ、働き方など改革しなければならないことは山ほどあります。  

もちろん結婚も子供をもつことも個々人が判断すべきことです。

しかし、社会全体として見た場合、結婚しない人が増加して出生数が減れば、将来的に1人暮らし世帯が増えることになります。

高齢社会白書(2022年版)によれば、2040年には女性高齢者の4人に1人、男性高齢者も5人に1人が1人暮らしになるとしています。

認知症患者も増える見通しで、買い物難民や通院難民の増加へとつながります。それはやがて大きな社会コストとなるでしょう。  

人口減少社会に向けて今われわれがすべきは現状の維持ではなく、「縮小」を前提としてそれに適合できるよう社会を進化させることです。

それで人口問題が解決するわけではありませんが、戦略的に縮小させていくことで、小さくなっても「きらりと輝く国」にすることは可能です。

これ以上、「不都合な現実」から目をそらし続けるならば、日本の未来には絶望しか待っていません。

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