氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

インフレと円安で日本の低迷は決定的

6月に入って、食料品や日用品など様々なモノが値上がりしています。

一方で日本の賃金は20年以上にわたってほとんど上がっていない状況です。このままでは「悪いインフレ」に向かう可能性が高いです。

5月の国内企業物価指数は前年同月比で9.1%上昇し、前月に続き過去最高水準で、上昇は15か月連続です。

4月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)も前年同月比で2.1%上昇しています。2%の上昇は13年ぶりです。ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油穀物などの世界的な値上がりによって、今後も物価高が進行するでしょう。

輸入している原材料の価格が上昇すれば、それは即、国内の物価に跳ね返ります。  

 

 

アメリカの5月の消費者物価指数は前年同月比で8.6%上昇し、前月に続いて約40年5ゕ月ぶりの高い伸び率となりました。

FRBは6月15日、政策金利を0.75%引き上げると決めました。0.75%の大幅利上げは1994年11月以来、27年7カ月ぶりです。約40年ぶりの記録的な物価上昇(インフレ)を抑制するため、上げ幅を従来の3倍にしました。3会合連続の利上げで、政策金利の誘導目標は1.5~1.75%となります。

FRBが公表した2022年末の政策金利見通しは3.4%で、3月会合時点の見通し(1.9%)から大幅に引き上げました。年内の残る4回の会合でも急ピッチで利上げを続ける方向です。23年末の政策金利見通し3.8%としました。

一方、日本の賃金は20年以上にわたってほとんど上がっていません。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、日本の一般労働者の2020年の平均月給は30万7700円で、2001年から1900円増えたにすぎません。

今後、原材料価格の上昇によって企業業績が悪化し、賃金が上がらないまま物価だけが上昇していくと、家計の負担が重くなって、GDP国内総生産)の6割を占める個人消費が減退し、経済活動が停滞する可能性が高いです。  

しかも、このところ円安が急速に進行しています。2021年4月は1ドル=109円前後でしたが、約1年後の今は133円前後(6月15日時点)です。

円安になると輸入コストが上がるので、さらなる物価上昇につながります。

 

 

また、ユーロ圏の4月の消費者物価指数も前年度同月比で過去最大の8.1%でした。

ECB(欧州中央銀行)もFRBに追随し量的緩和を終了し、7月1日に0.25%の利上げを行うことを決めました。

そうすると、世界中の資金は金利が高い米欧に向かうので、日本が資金流出を止めるためには利上げしなければなりません。  

ところが日本銀行FRBやECBと異なり、長期金利を「0%程度」に誘導する異次元金融緩和を堅持する方針です。2月には長期金利の上昇を抑え込むために10年物国債を0.25%の利回りで無制限に買い取る「指し値オペ」を実施しました。

長期金利が許容範囲の上限の0.25%以上に上がらないようにする公開市場操作です。 

日銀としては、もっとゆっくりした出口戦略を取る予定だったのでしょう。  

この半年程度の間に起こったアメリカの急激な利上げは、想定外のものでした。

米国との金利差拡大で引き起こされた急激な円安に対処するために、金利を引き上げる必要が急に起きてしまいました。  

円安に対応しようとしても、動きようがない状態に陥ってしまっているのが実情です。

円安が望ましくないことを重々承知しながら、それへの対処ができません。

景気への配慮というより、低金利から脱却できないわけです。  

金利を抑えることで、国債を大量に抱え込んでいる日銀も、約30万社あるとされる「ゾンビ企業」(経営破綻しているのに銀行や政府の支援によって存続している企業)も“延命”できるからです。

しかし、延命治療を続けるだけではリハビリ(機能回復)も完治もありません。日本の老化を早めるだけです。

 

 

米欧との長期金利差が広がれば円安が進みやすくなり、円安は輸入価格の上昇を通じて日本の物価を押し上げます。  

したがって日本国民は、円安による通貨価値の低下と、それによる物価高騰という事態に耐え凌ぐしかありません。

定期預金の金利が雀の涙ほどもつかない日本で、円安によって「悪いインフレ」が一層進めば、国民(とりわけ年金生活者)の家計は逼迫します。

今後の日本は優秀な人材を育て、大志や野心がある若者に世代交代し、新しい企業・産業を興さなければ、じわじわと迫っている危機に気づかないで死んでしまう“茹でガエル”になりかねません。 

しかし、今の日本の若者たちは文部科学省の“金太郎飴製造教育”によって「道を踏み外さず無難に生きる」ことが習い性になり、低欲望化しています。

今からそうした改革を始めたとしても、その成果が出るのは子供たちが成長して働き盛りになる20年後です。

老化による日本の凋落に歯止めをかけるためには、海外からデジタル化を担ってくれる人材を招聘して活性化を図るしかありません。

しかし、それもまた移民受け入れに消極的な今の政治状況では難しいです。賃金が上がっていないから、言葉のハンディがある外国人にとっても、ますます魅力がない国になっています。

 

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