氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「2000万円」を貯めても老後問題は解決できない

将来のために毎月の給料からコツコツと貯金をして備えている方も多いかもしれません。

リストラや給与の減額、会社の倒産、老後問題。将来に備えようとするとお金はいくらあっても足りない気さえしてきます。

ただ、残念ながら毎月コツコツと貯金を続けていたとしても、将来の不安が解消されることはありません。

 

 

もし、手元に2000万円の貯金があるからといって、それだけで会社を辞めて暮らしていけるか、老後を豊かに過ごしていけると思えるかということです。

では、なぜ真面目に貯金をしている人ほど、将来の不安をいつまでも払拭することができないのは、貯金は「資金」であって「資産」ではないからです。

資金はいくらあっても収入を生むことはありません。一方で、定期的に収入を生み出してくれるものが資産です。

たとえば、老後に備えていくら貯金をしたとしても、生活費として毎月取り崩していけばいつか底をついてしまいます。

同じように脱サラして起業した場合、売上が安定してくるまで毎月のように貯金を取り崩していけば、同じようにいつかはなくなってしまいます。

給与天引きで貯金を毎月行っているような堅実な人こそ、いざというときに備えて、貯金も使うことができないはずです。

お金があっても使えないのは、次の収入が入ってくる見込みがないからです。減っていくだけのお金であれば、誰だってお金を使うことを躊躇してしまいます。

年金に加えて、毎月、安定してお金が入ってくる収入源があれば、気兼ねなく使えます。

豊かな老後を過ごすためには、お金を貯めることを目的にするのではなく、収入源をつくることを目的にすることが大切です。

お金を気兼ねなく使うためには、貯金を続けて使えない資金を貯めこんでいては不安を解消することはできないのです。

不安を解消するために必要なことは、資金を作ることではありません。収入源を作ることこそ必要不可欠です。

 

 

数年前に巷を騒がせた「老後資金2000万円問題」は、老後問題を国民に押し付けるのかと、大いに物議を呼びました。

ただ、老後の必要資金の目安は、2000万円とも3000万円とも言われ、専門家によって金額はバラバラです。その内訳は直近の統計から算出された単純なシミュレーションであることも多くあります。

この老後2000万円問題の発端となった金融庁のレポート自体、2017年時点の総務省「家計調査報告」から夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯の月の実収入額と実支出額を、単純に12か月×30年分、足し合わせたにすぎません。

将来の年金受給額や物価の変動、生活必要コスト上昇の可能性は何も考慮されていないのです。

生活水準によって、将来の希望する老後の生活像は異なります。 ニッセイ基礎研究所が公開している調査結果で、現役時代と同じ水準の暮らしをしようとする場合に、年金受給額に加えて自力でどれだけのお金が必要かを試算したデータがあります。

それによると、世帯割合として最も多い年収500万円~ 750万円未満の世帯が最低限必要と考える生活費は年間358万円となっています。

そこから年金による収入を差し引くと、自力で必要なお金は年間で約106万円。老後を30年間と捉えると、計約3200万円となります。

これが、世帯年収750万円~ 1000万円未満の場合は最低限必要な生活費が年間404万円で、30年間で必要なお金が計3650万円、さらに、世帯年収が1000万円~ 1200万円未満の場合はなんと、生活費が年間524万円で、必要なお金が計6550万円にまで跳ね上がるとされています。

夫婦共働き世帯の場合、世帯年収が1000万円を超えるケースもあるでしょう。現役時代の生活レベルを維持するだけでも、これだけのお金を準備する必要があるのです。

 

 

もちろん、生活水準を落とせば、これほどの大金は必要ありませんが、一度経験した暮らしは簡単には変えられません。

「いくら貯めておけば安心」という一律の答えを出すのは極めて難しいのです。 だからこそ、「収入源」をつくることがなおさら必要になります。

なぜなら、老後をどのような生活水準で暮らしていきたいのかを考えれば、年金に加えてあなた自身で用意しなければならない収入額がわかります。

このとき、不足額が多額であればあるほど、現役時代に「貯金」で賄うことが難しくなります。老後生活で収入の頼りとなるのは2か月に1度の年金のみ、あとは自分たちの財産を切り崩すしかありません。

貯金があるからといって簡単に取り崩して生活していけば、万が一、病気や介護になったとき、また思いがけず長生きしてしまったときのことを考えると、使うに使えないはずです。

外食や旅行、いわゆる贅沢は控えて、公的年金の範囲内で暮らしていくだけです。 仮に貯金が1億円あっても同じです。

1億円を取り崩していって、8000万円になり、半分の5000万円になり、残り2000万円になった時、今まで通り同じようにお金を使えるでしょうか。

不足額が貯金ではなく、資産からの不労収入で補うことができれば、精神的な不安も少なく、老後の豊かな暮らしを心より楽しめるはずです。

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村