怒りの炎を燃え上がらせない方法は以下の二つあります。
1「~べき」が裏切られる回数を減らすこと
怒りの火花が散る回数を減らすということです。そもそも、怒りの火花が散ることがなければ、怒りの炎が大きく燃え上がることはありません。
物事に対する許容度を上げることです。
「まあ、これくらいなら許してもいいか」と思える範囲を広げることで、「~べき」が裏切られる回数が減り、イラッとする回数が減ります。
許容度を上げるためには、普段から「せめて」という言葉を使います。「せめて」どうであれば許せるのか、考える癖をつけることです。
「せめて」が意味するのは、自分の許容度の最大限です。自分の許せる最大限をいつも考えることで、少しずつ許容度を大きくでき、イラッとする回数も減ります。
2マイナスな感情や状態を小さくすること
マイナス感情・状態を小さくすることは、仮に怒りの火花が散ったとしても、それを大きく燃え上がらせる燃料が少なくなることを指します。燃料がなければ、怒りの炎は大きくなりません。
あくまでアンガーマネジメントは怒らないことではありませんので、何が何でも許せということではありません。
絶対に譲れないもの、怒る必要があると思うものは怒ればよいのです。
不安はマイナス感情の中でも大きなものですが、たとえばコロナ禍について大きな不安を感じているのであれば、コロナ禍について必要以上に情報を見聞きしないことです。
不安だから情報を集めたくなるのが人情とは理解できます。
ただ、逆に情報を集めすぎると、わからないところが余計に増えるので、かえって不安になるという悪循環に陥ります。
思い切って情報から遠ざかることです。知らぬが仏という言葉もあります。
また、マイナス状態を小さくするには、体のコンディションを整えるために健康的な生活をすることです。健康な人と不健康な人を比べた場合、不健康な人のほうが怒りやすくなります。
体の具合が悪いときのほうが、機嫌が悪くなることについて、思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか。
健康になるには、よく言われていますが適切な食事、適度な運動、質のよい睡眠を心がけることです。ある意味、健康でいることは、最強のアンガーマネジメントとも言えます。
感情は時に爆発的なパワーを生み出しますが、ネガティブな感情によってやる気がなくなったり相手と衝突したりということもあり、プラスにもマイナスにもなります。
プラスの感情であれば物事を前向きに考えられるようになったり、困難を乗り越える力が湧いてきたり、ゼロやマイナスをプラスに変えたりとさまざまなメリットがあります。
逆にマイナスの感情になると心理的なブレーキが働いたりパフォーマンスが低下したり、人を傷つけて関係性を壊したりとデメリットもあります。
しかし、感情をコントロールできるようになれば、自分の感情に気づけたり、他人の感情を理解して自分の間違いに気づけたり、相手を傷つけないように言葉を選べたりできるようになります。
"怒り"という感情は、ふとした瞬間に誰にでもやってくる感情です。なかには「自分は怒りっぽい性格なのかな…」「イライラする自分がイヤ」など、悩んだり自己嫌悪に陥る人もいますが、あまり自分を責めすぎないことも大切です。
また、解消法を実践したことにより、その一瞬はイライラが消えたかもしれません。
しかし、時間が経てば再び思い出してモヤモヤしたり、また同じイライラを繰り返してしまうかもしれません。
イライラの解消法はひとつの手段として考え、自分の考え方や捉え方を変えてみることです。特に「人と自分を比べない」「相手に求めすぎない」ということを意識してやってみるだけで、嘘のように心に余裕ができます。
怒りの感情から生まれるものは、ほとんどが良いものではありません。ピリピリして過ごすよりも笑顔で過ごした方が圧倒的に人生が楽しくなります。