氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

日本国債が暴落するかもしれない

このところ「経常収支」が赤字の月が多くなっています。  

日本は対名目GDP比では200%を超える政府の債務を抱え、これは先進国中ワースト1位です。2位のイタリアでも160%程度、米国は130%程度です。  

それでも、日本国債が暴落しないのは、経常収支が長らく黒字であったということ、つまり海外からは「稼げていた」ということです。  

そして、国債の9割程度が国内で消化されているということです。国債の大部分を日本国内で消化しているので、日本人が日本経済や日銀を信じている限りは、国債は暴落しないということです。  

また、万一、暴落やデフォルトがあった場合でも、日本人が損するだけですから、海外投資家はそれほど関心がないとも言えます。  

しかし、ここにきて国債が暴落しない要因である経常収支が赤字となる月が増え、通年でも赤字となる可能性と、この傾向が続く懸念が出ています。  

米国なども経常収支が赤字でも国債は暴落しないと言われるのは、米国ドルは基軸通貨だからです。米ドルの信認は国際的に厚く、日本円とは違います。

残念ながら日本の経済はここ30年ほど成長せず、将来的にも人口減少などでじり貧の状況です。  

 

 

経常収支は「国の稼ぎ」の実力値で、(1)貿易収支、(2)サービス収支、(3)所得収支に分かれます。  

(1)貿易収支は、モノの輸出入の差額です。  

(2)サービス収支は、特許料などのサービスの対価の受払いの差額です。訪日客が国内でサービスを享受するなどの旅行収支もサービス収支に入ります。  

(3)所得収支は、金利や配当などの第1次所得収支とともに、主にODA(政府開発援助)からなる第2次所得収支に分かれますが、ほとんどが第1次所得収支です。  

2015年度以降、経常収支は毎年20兆円前後の黒字です。かなりの額の黒字額が、国債の残高が増える中で、国債の信認を高めてきたのです。

また、貿易・サービス収支は赤字の年も少なくないということです。経常収支の黒字を大きく支えてきたのは所得収支、正確には第1次所得収支だということです。

このことは、貿易やサービスでは十分に稼げない国となっている一方、これまでの海外投資の果実である金利や配当で稼ぐ国となっているのです。その額は年に20兆円を超える額です。

このように日本の経常収支の構造は、以前の輸出で稼ぐ=貿易収支の黒字というものから、「投資で稼ぐという構造」に大きく変わっていることに注意が必要です。

そして、直近月の数字を見れば、原油などの資源価格の高騰や円安があり、貿易収支の赤字が大きくなり、全体の経常収支まで赤字の月が続くようになりました。  

日経新聞の試算では、ドル・円レートが120円、原油価格が130ドル/バレルなら、2022年度は16兆円の経常収支が赤字(42年ぶり)となるとしています。この経常収支の赤字が、今後も続きやすいということです。

資源価格の高止まりが相当期間続くということと、現状の日銀の政策では円安に振れざるを得ないということが大きな理由です。  

 

 

米国のFRBは3月の会合(FOMC)でインフレを抑えるために、0.25%の利上げを決め、今年中に残り6回あるFOMCでは各回金利を上げる予定です。

今後の利上げでは、1回に3月の倍の0.5%の引き上げもちらつかせ、4月以降は、FRB保有する国債などを市場に売ることで、毎月11兆円程度の資金を「吸い上げる」という意見も出されています。  

一方、日本では、長期金利の誘導の上限である0.25%を死守するため、無制限に国債を買い上げると表明しています。国債を買うということは、資金を放出するということです。180度違った政策です。  

日米金利差が開くことで、ドル・円相場が現在128円程度まで円安となっていますが、このことがさらに貿易収支、全体の経常収支の赤字を広げることとなります。

そして、もっと根本的に、経常収支の赤字が続くことが定着すれば、日本経済の脆弱性がさらに高まり、さらに円安化するということも覚悟しなければなりません。  

日本の生産性の低さと、膨大な国債の問題を解決する必要がありますが、これはなかなか難しいことは容易に想像できます。

このまま経常収支の赤字が定着していけば、国債暴落の要因にもなりますので注意が必要です。

 

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