氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

大阪のコロナ死者数にみる日本維新の会の正体

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オミクロン株「第6波」で、大阪府の人口10万人当たりの死者数は9・04人と全国ワースト1位となり、全国平均3・07人の約3倍です。東京(3・00人)との差も際立っています。

第6波が始まった昨年12月17日以降、2月26日までに発表した死者数は計799人です。厚生労働省の集計によると、全国最多で、2位の東京都(421人)を引き離しています。

第6波で大阪府の死者の9割を占めるのが高齢者です。1月に42件758人だった高齢者施設のクラスターは、2月の17日間で107件1601人に急増しています。オミクロン株による感染者急増で病床が逼迫し、陽性が確認されても速やかに入院できない状況です。

実際、第6波で2月26日までに判明した死者799人のうち、重症病床に収容されずに亡くなったのは9割近い706人に上りました。

自宅・宿泊療養のほか、高齢者施設などで亡くなった人も含まれ、高齢者施設で治療を受けずに亡くなるか、入院できても治療が遅れて最期を迎える事態です。

英国の研究で貧困地域のコロナ死亡率は富裕地域に比べて約2倍高いといわれています。

コロナ感染は人口が密集する都市部で拡大する傾向ですが、厚労省の令和2年度統計で全国20の政令市のうち、千人当たりの生活保護受給者数が最多だったのは、大阪市で49人。堺市は30・2人で3位でした。

貧困で身寄りも少なければ、医療にかからない傾向があります。収入や教育など個人の社会経済因子が、健康状態や寿命の長さに決定的に関わります。

 

 

この医療崩壊を起こしている大阪で支持を拡大しているのが日本維新の会です。

維新の会とは、新自由主義的改革により、拡大してきた貧困と格差を深刻な分断へ突き進め、その分断を繰り返される選挙を通じて固定化し、組織化することに成功した政党です。

そして維新の会の支持層とは、税や社会保険料などの高負担に不満を募らせ、自分たちの払った税金を食い潰す「年寄り」「病人」「貧乏人」への敵意や憎悪をあおられた「勝ち組」意識を抱く中堅サラリーマン層です。

第2の経済都市なので、大企業の関西支社や大阪支店が集積し、全国から転勤族も含むサラリーマンが相当数集まっています。

そもそも大阪は、生活保護受給者も多く貧しい街です。夏休みなどで給食がない日は1日1食の子どもが2割もいます。

街並みも独特です。市内に林立するタワマンの足元に、いわゆる長屋が地べたに張り付くように並んでいます。

自分が他人より勝っているという優越感に浸って暮らしていると、弱者を見て、いつしか上から目線的な感覚に陥るのでしょう。

小泉構造改革以来、拡大し続ける貧困と格差が目に見える形で広がり、誰もがその存在を意識せざるを得ません。そうした環境が弱者に対する蔑視を生み、分断につながっています。若い勝ち組の経営者からも「今さら平等になっては困る」という声も多いようです。

 

 

新型コロナウイルス対策について、医療崩壊の原因は医師会の問題もありますが、「身を切る改革」と言って、長年にわたり医療機関を徹底リストラしたこともあります。大阪の死者数は、弱者切り捨てを良しとする維新の会の思想信条に影響を受けているとも言えます。

維新の会が支持されている理由は、

岸田首相が「新しい資本主義」を掲げ、新自由主義からの転換をほのめかしており、中堅サラリーマン層が支持する新自由主義の旗を掲げる政党が維新しかないことです。

また、大阪のコロナ全死者数を見ても、全国で突出しており、明らかに吉村知事の失政と言わざるを得ません。失政を棚上げしてなにかあれば政府を批判します。橋下氏も援護射撃し、それをマスコミが英雄のように喝采し、府民も世論誘導されていることです。

さらに、大阪特有の地方議員に支えられている圧倒的な組織力があります。

この政党は上昇志向の強さが見て取れる勝ち組集団で、競争好きの根っからの新自由主義者、格差ありきの自己責任論者の集まりです。これから全国展開していくようなので、国民全てが弱者を切り捨てる政治を受け入れるかどうかは未知数です。

 

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