氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

就職氷河期世代の絶望

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政府は「中間層の底上げ」を訴えていますが、中間層を崩壊させたのは政治です。

2000年代に入って労働関連法の規制緩和が行われ、労働者の非正規化が推進されたことにより最も影響を受けたのが就職氷河期世代です。 これから日本の将来を担っていくはずだった若者たちが、数多く非正規雇用のまま結婚もせず子供を持たず、現在40~50代になっています。

この頃の雇用政策を誤ったことで、日本の人口減少に拍車をかけたといっても過言ではないです。皮肉にも人口減少で外国人比率は増加しているという実態です。20年前は町を歩いていても外国人が今ほどいませんでしたから。

1980年代には8割あった大卒就職率は、バブル経済が崩壊した1991年以降に下がり始め、2000年3月、初めて大卒就職率が6割を下回る55.8%に落ち込みました。コロナ禍21年春で74%ですから、かなりひどい状況です。

その3年後の2003年3月に大卒就職率は過去最低の55.1%を更新し、日経平均株価は同年4月に7,607円まで下落しました。

団塊ジュニア世代は人口的にもボリュームゾーンでこの時期が大学卒業時期と重なり景気悪化も直撃しています。

この頃の若年層の失業率は約10%という高さで、10人に1人が失業していました。内閣府の「国民生活白書」(2003年版)により、2001年時点の15~34歳のフリーター数が417万人に上ると公表され、企業側の買い手市場は続き、労働条件は悪化していきます。

 

 

パート・アルバイト、契約社員派遣社員として働き、休日出勤やサービス残業の日々でも月給が手取り16万円から20万円程度のままです。正社員でも離職率の高い業界や会社での求人が多く、ブラック職場のため過労で心身を崩すケースが続出しました。

社会保険料の負担から逃れるために業務請負契約を結ぶ例まで出現し、大企業や有名企業ほど、「嫌なら辞めろ。代わりはいくらでもいる」というスタンスで、若者が使い捨てにされました。

経済界と政治がこの世代を見捨て、非正規雇用少子化に拍車をかけたのです。2009年3月に日経平均株価バブル崩壊後最安値の7054円をつけ、2010年3月の大卒の就職率は60.8%に落ち込みました。

2012年12月に第2次安倍内閣が発足すると、あたかも「アベノミクス」によって新卒の就職率が高まったかのように見えましたが、団塊世代が完全にリタイアするタイミングが重なったことによるもので、15~59歳の労働力人口がピーク時より500万人減っていたことが後押ししただけでした。

 

 

安倍政権が打ち出した「女性活躍」の名の下で、企業は人手不足を補うためにブランクのある“優秀な”主婦の採用に乗り出し始め、専業主婦の間には「働いていないと肩身が狭い」という意識が一時的に広がりました。

一方で、相変わらず就職氷河期世代は置き去りにされました。2015年に専門職も含めた派遣で全職種の上限期間が3年になり、同年は労働契約法が改正され有期労働契約が5年続くと労働者が希望すれば期間の定めのない「無期労働契約」に転換できるようになりました。

2005年にできた「3年ルール」と同様、制度は悪用され、派遣は3年で“ポイ捨て”、非正規雇用の全般でも5年で“ポイ捨て”が広がりました。

第2次安倍政権で内閣府就職氷河期世代支援推進室が設置され、2019年に「就職氷河期世代支援プログラム」が策定され、3年間で30万人を正社員化すると掲げましたが、国は就職氷河期世代の中心層を2018年時点で35~44歳として、最も支援が難しい40代後半や50歳を過ぎた層には重点を置いていません。

そして、支援プログラムがこれまでの施策となんの変わり映えのないことから、就職氷河期世代の絶望は深まったのです。

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