氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

就職氷河期世代は冷たい風にさらされている

就職氷河期とは、バブル崩壊を発端に1993~2004年に起こった就職難のことです。 不景気を理由に企業が新卒採用を絞った結果、求人倍率が下がり、大学を卒業しても就職できなかった人々が非正規雇用として働かざるを得ないという状況になりました。

それに伴い失業者が増え、完全失業率が上がりました。 厚生労働省によると、就職氷河期を経験した人々は2021年現在で35歳~50歳となっており、この世代は「失われた世代=ロストジェネレーション」と呼ばれています。 この世代は非正規雇用だけでなく、いわゆる引きこもりの完全失業者も少なくありません。

収入や雇用の不安定さから結婚・出産できない人も多い傾向にあります。就職氷河期のピークは2000~2003年頃で、新卒求人倍率は2000年に0.9倍にまで落ち込みました。 また、新卒が含まれる15歳~24歳の完全失業率は2000年には9%を、2003年には10%を超えました。

 

 

就職氷河期の大きな原因は、バブル崩壊後の不景気により企業が採用人数を減らしたことです。 バブル崩壊後は不動産融資総量規制の制定や公定歩合の引き上げにより、企業は銀行から十分な融資を得られず、極端な不景気に陥りました。

その結果、企業は人件費削減のために新卒の採用人数を減らし、有効求人倍率が大きく低下しました。 終身雇用制度をとっている多くの企業は、できるだけリストラをせず既存社員の雇用を守る代わりに、新卒採用を削減・中止することで人件費を抑えていたのです。

その一方、やむを得ず大規模なリストラを行った企業や倒産した企業もあったため、失業者が増えました。 加えて、団塊ジュニア世代(1971~1974年生まれ。年間の出生数が200万人を超えた)がちょうど就職氷河期が始まる頃に大学を卒業したことで、就職難に拍車がかかりました。

ただでさえ人口が多い団塊ジュニア世代の就職活動が就職氷河期に重なったことで、少ない求人を多くの就職希望者が取り合うことになり、有効求人倍率の低下がさらに進んでしまったのです。

 

 

正規雇用や未婚者が増えた 就職氷河期の最も大きな問題は、新卒で正社員になれず、やむを得ずフリーターや非正規労働者として働く人が増えたことです。

ただでさえ正社員として働けない人が多い中、2000年代前半の小泉政権による労働者派遣法の規制緩和で、さらに非正規雇用が増加しました。

フリーターや非正規雇用者は賃金が安く、有期雇用契約であることも多いため、生活が不安定な傾向があります。 また、非正規雇用から正規雇用を目指して転職活動をしても、企業からは「正社員としての職歴がない」「正社員を採用するなら年齢が若い方が良い」などの理由から敬遠され、非正規雇用からなかなか抜け出せないという実態もあります。

こうした生活・将来への不安から、就職氷河期世代の人々は未婚率が高く、結婚をしたとしても子どもを作らないケースもあります。これは少子化現象の原因の一つにもなっています。

 

 

氷河期世代の問題は、非正規雇用の人にばかりスポットが当たりがちですが、厳しい競争を勝ち抜き、正社員になった“氷河期世代の勝ち組”でさえ、他の世代に比べると「社会の恩恵」を受けていないことはあまり知られていません。

厚労省の「賃金構造基本統計調査」によれば、全体の賃金は1.3%上昇していたにもかかわらず(男性1.1%増、女性2.3%増)、氷河期世代に当たる40~45歳男性の賃金だけ、マイナス0.6%。「大学・大学院卒」の40~45歳男性に限ると、マイナス1.1%、「大企業」の40~45歳男性だけに絞ると、マイナス2.3%と、普通であればエリートとされる人たちが、とりわけ冷たい風にさらされていたのです。

40歳を過ぎると年老いた親の問題が加わり、じっくりと就職活動する時間的余裕も、スキルや資格取得に費やす時間も金銭的余裕も制限されます。

就職氷河期世代」は就職時の不況に加え、小泉政権構造改革による非正規雇用の拡大、さらには日本の会社組織がスリム化で管理職を減らしたことなど、さまざまな「社会的要因」が複雑に絡み合い、給料が上がらず低成長の国となってしまった負のスパイラルを促進させる一因にもなっています。

就職氷河期世代は人口的にも将来ボリュームゾーンにあり、雇用・社会保障や経済の行き詰まりなど、先々暗い影を落とすことは確実です。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村