氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

就職氷河期世代を見捨てたツケがこれからやってくる

就職氷河期世代」または「ロストジェネレーション世代」とも言われますが、1993~2004年に高校・大学卒業期を迎えた人たちです。この中には団塊ジュニア世代も入っており、現役世代で突出した人口のボリュームゾーンとなっています。

バブル崩壊後の雇用環境の厳しい影響を受け、卒業後に正社員になれず、非正規として働いている人が多い世代で平均月収、平均貯蓄額を他世代と比較すると、この世代は明らかに低くなっています。

 

 

正規雇用を余儀なくされ、最悪ひきこもりになっている原因は個々の責任というよりも、日本特有のさまざまな悪しき制度や仕組みが根本的な原因でした。考えられる理由について以下のとおりです。

・日本企業の採用方針

 各企業が新年度の4月入社に向けて、一斉に新卒一括採用しますが、これは日本独特の慣習です。日本企業にはこの時期を逃すと、中途で入社することが難しく、この新卒一括採用の時期に就職できなかった人は、正社員への道が閉ざされていくことになります。

非正規社員雇用の規制緩和

 2003年、小泉内閣(当時)が製造業への派遣を解禁したことで、多くの日本企業はコストがかかる正社員を減少させ、低賃金で雇用ができる人材派遣へ切り替えていきました。非正規雇用という雇用が一気に広まりました。

 

 

・企業本位の労働環境

 非正規雇用は低賃金で雇用することができるため、正社員よりも非正規雇用を大量に採用すれば、企業全体としては利益が増えます。しかし、その根底を支えている非正規雇用の収入が増えることはあまりありません。

・起業や独立が難しい社会

 新卒一括採用時期に就職ができなくても、起業や独立という方法がありますが、独立起業には資金が必要になります。日本の融資制度はいまだに銀行の融資が基本で、それにはある程度の信用が必要です。銀行が起業したばかりの人に融資をしてくれることはまずありません。

氷河期世代が注目されるようになったのは、今まで見過ごされていた存在が以下に示すような社会に悪影響を及ぼし始めていることが認識されてきたからです。氷河期世代の静かな復讐を受けていると言えます。

・中高年の引きこもりによる将来的な社会保障費の増大

 平成30年度の内閣府の調査によると、引きこもり者の推計は61.3万人となっています。就職活動時期がきっかけで引きこもりになったといわれてます。働いていないので、納める税金は無く、生活保護受給の増加も予想され、社会保障費の増大が予測されます。

 

 

少子化による人口減少で経済大国からの没落

 出生数は年々減少し、令和2年の人口動態統計によると、コロナの影響もあって日本の出生数は年間87万人となり前年よりも約2.5万人減少しました。仮に、より多くの氷河期世代が結婚し、子供を産んでいれば、少子化のペースは緩やかになっていたと思います。非正規雇用の増加により、子供を持てるほどの経済的余裕がない人が増えていることも少子化に歯止めがかからない理由といわれています。

・企業内での優良人材の不足

 企業で40代と言えば、多くの仕事がこなせるようになり、企業のコアとなる世代です。しかし、最も脂がのって活躍しているであろう40代社員がいないという問題に多くの企業が直面しています。氷河期世代の採用を見送ってきたツケが回ってきていると言えます。

ミニマリストの増加

 低賃金でやりたいことができず、その中で生活をやりくりしていく必要があるため、いつしか氷河期世代は「持たない」生活を選択するようになりました。洋服、食べ物などは余計に買わず、必要最小限で生きる「消費をしない世代」となってしまったのです。個人消費GDPの構成の中で最も大きな割合を占め、人口減少と相まって消費減少は経済成長にブレーキをかけることになります。

AI分析で「40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす」と提言していたことを2017年にNHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」で放送していました。

40代ひとり暮らし=就職氷河期世代ですから、この世代を見捨てたことで日本は貧しい国になってしまったということです。

この放送の後ぐらいから、ようやく就職氷河期世代の不遇が認知され、政府が対策に乗り出し始めたようですが、時すでに遅しといったところでしょうか。

 

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